高元度

高元度（こう げんど）

高元度は奈良時代の貴族であり、朝鮮半島の高句麗の王族系にルーツを持つ渡来人です。彼はその時代における日本と中国の交流を深める重要な役割を果たしました。官位としては従五位上・左平準令に任命されています。

経歴

天平勝宝4年（752年）、高元度は第12次遣唐使の大使として唐に渡りました。そこで彼は藤原清河を日本に帰国させるため、淳仁朝の天平宝字3年（759年）に編成された第13次遣唐使に迎入唐大使使として任命されました。この遣唐使は、「よつのふね」とも呼ばれており、全盛期には400人以上が参加する大規模なものでしたが、第13次遣唐使は比較的少人数の99名で編成されました。

高元度はこの使者の一員として、2月に帰国する渤海の使者・揚承慶と共に唐に向かいました。しかし、当時の唐は安史の乱による混乱状態にあり、最終的には11名だけが唐に到達することができました。高元度は、渤海の賀正使・揚方慶と共に入唐し、当時の情勢下で中国から甲冑や武器などの見本を授与されることとなりました。

当時の状況では反乱軍もまだ平定されていなかったため、藤原清河の帰国は許可されず、結局高元度と彼の同行者らのみが南路を経て帰国することになりました。彼らは中謁者の謝時和の指揮の下、蘇州へと向かいました。高元度は天平宝字5年（761年）8月に、李岵との協議の結果、新たに建造された長さ24mの船を用いて日本に帰国することになりました。

興味深いことに、高元度が帰国する際には安史の乱で多くの武器を失ったため、唐の皇帝・粛宗からは弓を作るための牛の角を贈るように求められました。そのため、同年10月に日本の朝廷では東海道や北陸道などの諸国から合わせて7800隻の牛角を貢納し、安芸国で遣唐使船を建造することとなりました。最終的に、同年11月に高元度はその功績により外従五位下から従五位上に昇叙されます。

その後、高元度は三河守や左平準令などを歴任し、日本の政治に深く関与しました。彼の活躍は、奈良時代における対外関係の構築において意義深いものであり、高元度の業績は後世にわたって語り継がれることとなります。

官歴

高元度の官歴は以下のようになります。

• - 天平宝字3年（759年） 正月30日：外従五位下、迎入唐大使使
• - 天平宝字4年（760年） 正月16日：能登守
• - 天平宝字5年（761年） 11月3日：従五位上（内位）
• - 天平宝字6年（762年） 正月9日：三河守
• - 天平宝字7年（763年） 7月14日：左平準令

このように、高元度はその後の日本の歴史においても重要な位を占める人物でした。

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