高山保次郎

高山保次郎（1838年 - 1907年）は、激動の時代を生きた神官であり、その繊細な歌によって人々の心を捉えた歌人です。本姓は里井、諱は慶孝、号は苞居と称しました。

生い立ちと学問

高山は、1838年（天保9年）に和泉国泉南郡南中通村（現在の大阪府泉佐野市）で、里井孝幹の次男として生を受けました。幼名は寬三郞と名付けられました。里井家は代々学問を重んじる家柄であり、幼い頃から学問に親しみ、祖父から教えを受けました。15歳の時、堺市九間町の高山家の養子となり、家督を継ぐとともに、名を保次郎と改めました。

父の死後、高山は岩崎長世に国学を学び、その才能を開花させました。その後、大阪の枚岡神社に出仕し、歌会始の撰者として歌壇においても重要な役割を担うようになりました。また、堺の区長を務めるなど、地域社会にも貢献しました。

歌人としての活動

岩崎長世の没後、尾崎正明や渡辺重春らと親交を深め、歌道に一層専心しました。彼の歌は、自然や人生の機微を繊細に捉え、情感豊かに表現することで、多くの人々の共感を呼びました。

晩年と遺産

1907年（明治40年）、高山保次郎は70歳でその生涯を閉じました。没後には、彼の歌業を偲び、『苞居歌集』が刊行され、その功績は後世に伝えられています。

高山保次郎は、幕末から明治という時代の変わり目において、伝統文化を継承し、新たな文化の創造に貢献した人物として、その名が刻まれています。

参考文献

『堺市史第七巻』（1930年 清文堂出版）第一編 人物誌 第四章　整頓期（四五）

関連項目

里井浮丘
* 旧堺燈台

もう一度検索