高山城 (大隅国)

高山城 (こうやまじょう) の歴史と構造

高山城は、鹿児島県肝属郡肝付町新富本城に位置する山城で、別名「肝付城」とも呼ばれています。この城は、国の史跡として指定されており、その歴史は古く、平安時代末期にまで遡ります。

起源と発展

高山城の起源は、平安時代末期に島津荘の弁財使（荘園監督官）に任じられた平兼貞の子孫がこの地に定住したことに始まると伝えられています。現在の壮大な城郭が整備された時期は明確ではありませんが、南北朝時代から戦国時代にかけての動乱期に、防衛のために城郭が形成されたと考えられています。

平兼貞の子である兼俊は「肝付氏」を名乗り、12世紀から約400年の長きにわたり、この地を拠点として大隅国最大の領主として君臨しました。肝付兼続の時代には、薩摩国の島津氏、日向国の伊東氏という二大勢力の間で巧みな外交手腕を発揮し、肝付氏の最盛期を築きました。しかし、その後島津氏との対立が激化し、天正元年（1573年）に高山城は落城することとなります。その後、肝付氏は領地を大幅に縮小されたものの、引き続きこの地の領主を務めました。しかし、天正8年（1580年）に肝付氏は阿多（現在の南さつま市金峰町）に移封され、高山城は廃城となりました。

なお、高山城の外城としての機能は、支城であった弓張城に高山麓が設置されることで移転しました。

城郭の構造

高山城は、南に本城川、北に栗山川、西に高山川、そして東にはシラス台地の急崖という自然の地形を最大限に活用した「天然の要害」に位置していました。さらに、山地から南西方向に伸びる丘陵地を横切って空堀を設け、曲輪を形成していました。これにより、城は非常に堅固な守りを誇っていました。

現在の遺構

現在、城跡には大手門と搦手門の跡を示す看板が立っており、本丸、二の丸、三の丸などの区画が比較的明確に残っています。ただし、本丸は原型が崩れかけている部分も見られます。残念ながら、建造物自体は全く残っていません。しかし、その縄張りからは、往時の高山城の壮大さを偲ぶことができます。

まとめ

高山城は、その歴史的価値と自然の地形を利用した巧みな縄張りが評価され、現在では国の史跡として保護されています。この城は、肝付氏の興亡の歴史を今に伝える貴重な遺産であり、訪れる人々にその歴史的背景を感じさせてくれます。

関連情報

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外部リンク

• - 国指定文化財等データベース

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