高山義三

高山義三：弁護士から京都市長へ、激動の時代を生きた革新者

高山義三（1892年6月15日 - 1974年12月6日）は、弁護士、政治家であり、第19代京都市長を務めました。また、国立京都国際会館の初代館長や京都自由人権協会の理事長も歴任しています。初代京都市会議長で衆議院議員も務めた中村栄助の三男として、京都市に生まれました。

生い立ちと青年期

京都府立二中では野球部に所属し、小西作太郎とバッテリーを組んでいました。第五高等学校を経て1918年に京都帝国大学法科大学法律学科を卒業。学生時代は河上肇を顧問とする労学会に所属し、キリスト教社会主義運動に参加。1917年には友愛会の初代京都支部長に選ばれ、賀川豊彦の影響を受けて普選運動に携わりました。

弁護士としての活躍

京大助手、同志社大学講師を経て、神戸で弁護士を開業。労働問題に取り組み、大本事件など思想犯の弁護で活躍しました。1926年には小笛事件の弁護を担当し、無罪を勝ち取っています。

京都市長として

戦後は自由党に参加。民主戦線を唱えて地域政党の京都民主党を結成。1950年に社共両党を含む民主戦線に推され社会党公認で京都市長に当選しました。その後、保守無党派に転じ、民統の支持を得て京都府知事に当選した蜷川虎三と対立するようになります。1966年2月まで4期16年務め、第10代全国市長会会長も務めました。

市長としては、北山大橋・御池大橋の架橋や四条大橋・五条大橋の架け替えを手がけました。また1951年のオールロマンス事件では部落解放全国委員会の行政闘争を受け、京都市の同和予算を飛躍的に増大させました。

人となりと趣味

市長退任後は国立京都国際会館館長を務めましたが、蜷川虎三が「松ヶ崎（国際会館の所在地）は鬼門だよ」と陰口を叩くなど、両者の確執は市長退任後まで続いたといいます。高山義三が所蔵していた536冊の洋楽譜は、彼の没後に京都市立芸術大学附属図書館へ寄贈され、高山文庫として保存されています。宗教はキリスト教で、趣味は音楽、スポーツ、読書、将棋と多岐にわたりました。

家族と著書

妻は静子。長男は政治家で元京都府議会議長の寛です。著書には『市長の欧米訪問記』や自伝『わが八十年の回顧──落第坊主から市長まで』があります。

高山義三は、激動の時代において、弁護士として、そして京都市長として、社会の発展と人々のために尽力した人物でした。

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