高岳 (大奥女中)

高岳（たかおか/たかだけ）

高岳（生没年不詳）は、江戸時代後期に大奥で活躍した女性であり、上臈御年寄（じょうろうおとしより）という役職を務めました。特に江戸幕府11代将軍・徳川家斉（とくがわいえなり）の時代には、大奥における筆頭老女（ひっとうおんな）として、大きな影響力を持っていました。

生涯

高岳は宝暦年間（1751年〜1764年）には、既に大奥で御年寄の松島局（まつしまのつぼね）に次ぐ実力者として知られていました。明和年間（1764年〜1772年）に入ると、大奥の筆頭老女としての地位を確立し、その権勢を大いに振るいました。

明和2年（1765年）には、仙台藩主・伊達重村（だてしげむら）が自身の官位昇進を実現するために、老中筆頭の松平武元（まつだいらたけちか）、御側御用取次の田沼意次（たぬまおきつぐ）、一橋徳川家家老の田沼意誠（たぬまおきのぶ）とともに、高岳に賄賂を贈りました。この際、高岳は重村に桜田御用屋敷内に自身の家を増築させています。この事からも、当時の高岳の権勢の大きさが窺えます。

天明7年（1787年）に松平定信（まつだいらさだのぶ）が老中に就任する際には、将軍・徳川家斉から意見を求められた高岳は、御年寄・滝川（たきがわ）と共に反対の姿勢を示したと、御年寄・大崎（おおさき）によって伝えられています。反対の理由としては、定信の実妹・種姫（たねひめ）が10代将軍・徳川家治（とくがわいえはる）の養女となっているため、将軍家の縁者は幕政に参与すべきではないという考えがあったとされています。しかし、最終的に定信は老中に就任し、その後、高岳は筆頭老女を退いています。

高岳の生涯は、大奥という特殊な環境の中で、権謀術数渦巻く人間関係や政治的な駆け引きに深く関わっていたことを示しています。彼女の行動は、当時の幕府政治や大奥の勢力図を理解する上で重要な手がかりとなります。

高岳が登場する作品

高岳は、大奥を舞台とした以下の作品に登場しています。

テレビドラマ
大奥（NHK・2023年、演：相島一之）：男女逆転設定
大奥（フジテレビ・2024年、演：田中道子）
べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜（NHK大河ドラマ・2025年、演：冨永愛）

関連項目

松島局：高岳と同時期に大奥で上臈御年寄を務めた人物。
大崎 (大奥御年寄)：高岳と同時期に大奥で御年寄を務めた人物。

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