高峰山 (三重県)

高峰山：険しい山容とパノラマ展望が魅力の山

三重県尾鷲市の西方、矢ノ川峠の北にそびえる高峰山（たかみねさん）は、別名高小屋山とも呼ばれる標高1045mの山です。台高山脈南部に位置し、黒潮の影響を直接受ける南海型気候の多雨地帯に属しています。そのため、周辺の山々や谷は浸食が進み、急峻で険しい地形となっています。

豊かな自然と人工林

山腹の一部には照葉樹林や雑木林が見られますが、高峰山のほとんどは人工林で覆われています。山頂には一等三角点「高小屋山」が設置されており、一等三角点百名山、近畿百名山にも選ばれています。このことは、高峰山が日本の登山において重要な位置を占める山であることを示しています。

登山ルートと山頂からの展望

高峰山への登山道は、矢ノ川峠と古川林道からの2つのコースが整備されています。しかし、いずれのコースも険しく、道のりは容易ではありません。特に矢ノ川峠からのコースは、健脚者向けの約2時間の道のりです。

山頂に到達すると、そこからは息を呑むような絶景が広がります。露出した岩が突き出た山頂の台地からは、北には大台ヶ原の山並み、南には熊野灘の青い海、東には尾鷲市街を一望できます。まさに360度のパノラマ展望が楽しめる場所と言えるでしょう。

地理的な位置づけと周辺環境

高峰山は紀伊山地東部、台高山脈南部に位置しています。周辺には大台ヶ原山、便石山、八鬼山などの山々が連なり、矢ノ川峠や馬越峠（熊野古道の一部）などの峠も点在しています。また、高峰山は又口川（銚子川の支流）、南谷・古和谷（矢川の支流）、中川、古川（北山川の支流）など、太平洋に注ぐ複数の河川の源流でもあります。

アクセス方法

高峰山へのアクセスは、JR東海紀勢本線尾鷲駅から南西約6kmの場所にあります。また、南東山腹には国道42号が通っているため、車でのアクセスも可能です。ただし、登山道は険しいため、十分な準備と体力が必要となります。

参考文献

一等三角点研究会『一等三角点百名山』山と溪谷社、1988年11月
徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』（修訂版）三省堂、1992年10月
* 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月


高峰山は、険しい道のりを経て辿り着く山頂からの絶景が魅力の山です。登山経験豊富な方にとって、挑戦しがいのある、そして達成感に満ちた登山となるでしょう。

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