高教会派

高教会派（ハイチャーチ）とは

高教会派（こうきょうかいは、英語: High church）とは、教会論、典礼、神学において形式を重んじ、近代化に反対する信仰とその実践を指す言葉です。この用語は、特に聖公会（イギリス国教会）で使われ始めましたが、他の教派でも見られます。

概要

高教会派は、伝統的な儀式や礼拝形式を重視し、教会の権威や聖職者の役割を尊重する傾向があります。その信仰は、カトリック教会の伝統や儀式と類似していると見なされることが多く、しばしば「アングロ・カトリック」とも呼ばれます。しかし、この用語は、高教会派の多様性を完全に表しているわけではありません。高教会派は、教派によって異なる特徴を持つことがあり、その範囲は非常に広いと言えます。

低教会派との対比

高教会派の対概念として、低教会派（ロウチャーチ、英語: Low church）が存在します。低教会派は、形式主義を避け、福音主義的な信仰を強調する傾向があります。現代のメディアでは、低教会派を「福音主義的」、高教会派を「アングロ・カトリック的」と結びつける傾向がありますが、これらは必ずしも同義ではありません。教会における信仰のあり方は、スペクトラムのように多様であり、高教会派と低教会派の間に明確な境界線があるわけではありません。

また、自由神学的なリベラル教会派（ブロードチャーチ、英語: Broad church）という分類もあり、教派の信仰のあり方は、複雑な様相を呈しています。

高教会派の存在する教派

高教会派は、聖公会だけでなく、ルーテル教会、長老教会、メソジスト教会など、他のプロテスタント教派にも存在します。これらの教派における高教会派は、それぞれの教派の伝統と融合し、独自の形を形成しています。

代表的な高教会派の教会

以下は、伝統的に高教会派とみなされる教会の一例です。

All Saints Church (英国・ロンドン)
Church of St Barnabas (英国・ロンドン)
St George's Church (英国・ベルファスト)
St Bartholomew's Church (アイルランド・ダブリン)
Saint Clement's Church (米国フィラデルフィア)
Church of the Incarnation (米国・ダラス)
* St James' Church (オーストラリア・シドニー)


これらの教会は、典礼や礼拝形式において、高教会派の伝統を色濃く残していることで知られています。

まとめ

高教会派は、形式を重んじ、伝統を尊重する信仰のあり方です。聖公会を中心に発展しましたが、他の教派にもその影響が見られます。低教会派やリベラル教会派との対比を通して、キリスト教における多様な信仰のあり方を理解する上で重要な概念と言えるでしょう。

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