高松岳

高松岳（たかまつだけ）

高松岳は、秋田県湯沢市に位置する標高1,449メートルの山です。栗駒山の西方約16kmに位置し、第四紀に噴出した比較的新しい火山として知られています。隣接する小安岳、山伏岳と合わせて「泥湯三山」と呼ばれています。

概要

高松岳の稜線はなだらかですが、地質が凝灰岩であるため浸食が進んでおり、渓谷は急峻な地形となっています。山名はふもとの高松郷に由来し、かつては「焼山」とも呼ばれていました。

高松岳の山麓には、小安温泉郷、秋ノ宮温泉郷、泥湯温泉、湯ノ又温泉などの温泉地が点在しています。また、木地山こけしの里として知られる秋田いこいの村があった木地山高原には、桁倉沼やコケ沼などの景勝地も多く、キャンプ場や釣り場もあり、レクリエーションの場として多くの利用者が訪れます。

登山

高松岳には複数の登山口があり、泥湯温泉、川原毛地獄駐車場、湯ノ又温泉などから入山できます。高倉沢コースから山伏岳を経由して高松岳に至るコースもあります。泥湯温泉方面からのコースは環状になっており、小安岳と山伏岳を合わせて縦走することも可能です。

山頂からは、南方に虎毛山までの縦走路が続いていますが、コースが約13kmと長く、水場もないため健脚者向けです。

山頂には避難小屋がありますが、周辺に水場はないため注意が必要です。避難小屋のある地点が最高地点ですが、南に5分ほど移動すると祠のある山頂に至ります。山頂からは、鳥海山や月山、虎毛山などの山々を望むことができます。

石神山

高松岳の東約2.5kmには、石神山（標高1,141m）があります。菅江真澄の『ふでのまにまに』には、この石神山についての記述があります。

石神山は標高が高く、山には石像があると言われています。石神山の麓には橡温泉（栩湯）があります。石神山は古い地名であり、『続日本紀』には789年に陸奥国黒川郡石神山の社を官社としたという記述があります。当時、官軍が盛んに通行していた場所であり、満願の祭りをこの社で行いました。このことは『駒形日記』や『はしわの若葉』にも書かれています。石ノ神は大原（岩手県一関市大東町大原長泉寺）で祀られています。古くは阿倍比羅夫や虫麿などがこの地を訪れたと伝えられています。

周辺情報

小安温泉郷：高松岳の麓に広がる温泉地。豊富な湯量と多様な泉質が特徴です。
秋ノ宮温泉郷：高松岳の北東に位置する温泉地。温泉旅館や共同浴場があります。
泥湯温泉：高松岳への登山口の一つ。秘湯として知られています。
湯ノ又温泉：高松岳への登山口の一つ。自然豊かな環境にあります。
木地山高原：かつて秋田いこいの村があった場所。桁倉沼やコケ沼などの景勝地があります。
川原毛地獄：高松岳の近くにある火山地帯。硫黄の匂いが立ち込めます。

高松岳は、登山だけでなく、温泉や自然を楽しむことができる魅力的な山です。

もう一度検索