高梨哲四郎

高梨哲四郎

高梨哲四郎（たかなし てつしろう）は、1856年（安政3年）に江戸で生まれ、1923年（大正12年）に没した日本の政治家、弁護士です。衆議院議員を7期務め、弁護士としても数々の重要な事件に関わりました。

生い立ちと初期の活動

高梨哲四郎は、幕臣である高梨仙太夫の四男として江戸小石川に誕生しました。兄には、須藤時一郎と沼間守一がいます。1869年（明治2年）に横浜へ出て、尺振八のもとで英語を学びました。1872年（明治5年）には大蔵省翻訳局に勤務しますが、翻訳局が間もなく廃止されたため、官を辞しました。その後、法律を学び、1876年（明治9年）に代言人（現在の弁護士）の資格を取得しました。

弁護士としての活躍

代言人としての高梨哲四郎は、多くの事件で重要な役割を果たしました。特に有名なのは、横浜瓦斯局事件です。この事件では、横浜瓦斯局を民有化するために尽力しました。また、東京代言人組合が福地源一郎を名誉棄損で訴えた際には、福地の弁護を買って出ました。

政治家としての活動

政治面では、当初は立憲改進党に所属していましたが、井上馨の自治党構想に共鳴し、参加しました。しかし、自治党の結成が中止となったため、その後は無所属で活動しました。1890年（明治23年）には、第1回衆議院議員総選挙で東京府第6区から出馬し、当選しました。その後、7回にわたり衆議院議員に選出され、その間、第2次松方内閣のもとで台湾総督府民政局参事官を務めました。1900年（明治33年）には、横浜株式取引所の理事長に選ばれています。

家族

高梨哲四郎の家族構成は以下の通りです。

父：高梨仙翁（元幕臣）
兄：沼間守一
兄：須藤時一郎
妻：さい（元芸者、妾から妻となる。次妾と同居）
子：豹、洞、麟、瀧、謙、せん

まとめ

高梨哲四郎は、弁護士として、また政治家として、激動の時代を生き抜いた人物です。特に弁護士としては、横浜瓦斯局事件をはじめとする数々の重要な事件で活躍しました。また、政治家としても衆議院議員を7期務め、日本の近代化に貢献しました。彼の生涯は、日本の近代史を理解する上で重要な手がかりとなります。

参考文献

原口令成『高名代言人列伝』土屋忠兵衛、1886年。
山崎謙『衆議院議員列伝』衆議院議員列伝発行所、1901年。
『立身致富信用公録 第十一編』国鏡社、1903年。

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