高橋成忠

高橋成忠 (たかはし しげただ)

概要

高橋成忠は、1940年10月3日に大阪府北河内郡枚方町（現在の枚方市）で生まれた元騎手および元調教師である。彼は多くの競馬ファンに愛され、数々の名馬を手掛けた実力者である。また、高橋義忠という実子もJRA調教師として活躍している。

経歴

高橋の父親は地域の市議会議員を務めており、彼はその三男であった。少年時代、父に連れられて訪れた京都競馬場で馬に魅了されたことが、彼の進路を決定づけるきっかけとなった。中学校の頃は考古学者を志望していたが、高校進学の際、駅構内の騎手候補生募集のポスターを見て心が動かされた。その結果、馬事公苑の騎手養成長期課程に第7期生として入所し、同期生には後に有名な騎手となった池江泰郎や福永甲などがいる。

1957年には阪神・佐藤勇厩舎で騎手見習いとしてのキャリアをスタートし、1959年に初騎乗。その年の3月7日にイサムドーターで初めて馬に乗り、28日にツキオーで初勝利を挙げた。彼は初年度に14勝を達成し、年末にはミスイエリュウで朝日チャレンジカップを制して重賞初勝利を飾った。しかし、その後の見習騎手減量特典の消滅により厳しい時期を迎え、勝利数は20〜30勝程度の間で停滞していた。

それでも、高橋は着実に実力を伸ばし続け、1963年には年間33勝で全国10位に、さらに翌1964年にはヒカルポーラに騎乗し天皇賞（春）と宝塚記念を制覇。特に天皇賞では、圧倒的な人気を集めていたメイズイを大外から差し切るという見事な騎乗を見せた。以後、騎乗馬が増え、1965年には48勝で初めて関西リーディングを獲得、翌年には62勝で2年連続の関西リーディング（全国3位）を達成する。

1967年には桜花賞でシーエースに騎乗し、84勝を挙げる活躍を見せたことで、関西所属騎手として初めて全国リーディングジョッキーとなる。その後も、1970年には関東馬のタマミで桜花賞を再度制し、リキエイカンで天皇賞（春）も制覇。騎手としてのキャリアは華々しいものだったが、1971年以降、騎乗数や勝利数は徐々に減少していく。しかし、1973年の愛知杯でシルバーランドを背に中央競馬史上初の2分を切るレコード勝利を達成。

1976年にはCBC賞をレコード勝ちし、この年に調教師免許を取得。36歳で騎手を引退したが、騎手時代には「もう少し馬に乗りたかった」と後悔の思いを抱いていたという。

投資家としての足跡

引退後高橋は1978年に厩舎を開業し、初出走を果たす。初勝利はその年の10月に達成し、以降15勝前後をコンスタントに記録。1988年にはメイショウエイカンで京都大賞典を制し、重賞初勝利を収めた。管理馬の中では特にケイエスミラクルやメイショウホムラなどが注目された。

メイショウホムラは1993年にフェブラリーハンデキャップを制覇し、その後の重賞勝利を重ねた。2001年にはダービーレグノがシンザン記念を制し、再び重賞戦線での活躍が始まる。特に2004年から2008年にかけてメイショウバトラーがダートグレード競走で活躍。

引退と晩年

高橋は2011年に調教師を定年退職し、以降は実子の高橋義忠厩舎へ管理馬を移籍させた。運営する厩舎には多数の馬が集まり、高橋はファンから「丈夫で長く走らせられる秘訣」を尋ねられることも多かった。自身の経験や教訓が彼の競馬観に色濃く反映され、教え子や関係者にも深く影響を与えている。

人物像

高橋は「愛想がいいとはいえない」と自認しているが、関係者からは「口数は少ないが人格者」と評されている。実際、彼は非常に努力家で職人気質であり、様々な場面で人々に感化を与えてきた。高橋が愛馬への深い愛情や競馬への情熱を持つことで、多くの若手騎手や関係者に良い影響を及ぼしていることは疑いの余地がない。

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