高橋敏 (歴史学者)

高橋 敏 (たかはし さとし) の業績

高橋敏は、1940年3月1日に生まれた日本の著名な日本史学者である。彼の専門分野は、静岡の近世および近代史に加え、江戸時代の教育史、博徒、訴訟など多岐に渡る。彼は国立歴史民俗博物館や総合研究大学院大学の名誉教授として活躍し、多くの研究成果を上げてきた。

経歴

高橋は静岡県下田市で生まれ、1963年に東京教育大学文学部史学科を卒業。続いて、同大学の大学院文学研究科で修士課程を修了した。彼は静岡県立高校で教員として長い間勤めた後、1983年に群馬大学教育学部の助教授として就任。その後、1989年には教授に昇進し、4月には国立歴史民俗博物館の教授にも就任した。1990年には筑波大学から「近世村落生活文化史序説 上野国原之郷村の研究」で文学博士の学位を取得している。1999年には総合研究大学院大学教授となり、2005年に定年退職した後は名誉教授としての地位を保っている。

彼の研究の特徴は、従来の歴史学においてあまり注目されてこなかった博徒や義民に焦点を当てていることである。高橋は、上州の国定忠治や竹居安五郎、黒駒勝蔵といった甲州の博徒や、駿河の清水次郎長に関する多くの著作を執筆し、その研究を深めてきた。

主要な著書

高橋敏は数々の著作を手掛けており、その中には以下のような重要な作品が含まれる。これらの作品は彼の専門知識と独自の視点を反映したものである。

• - 『日本民衆教育史研究』 (未来社, 1978)
• - 『民衆と豪農 幕末明治の村落社会』 (未来社, 1985)
• - 『近世村落生活文化史序説 上野国原之郷村の研究』 (未来社, 1990)
• - 『国定忠治の時代 読み書きと剣術』 (平凡社選書, 1991; ちくま文庫, 2012)
• - 『江戸の訴訟 御宿村一件顛末』 (岩波新書, 1996)
• - 『家族と子供の江戸時代 躾と消費からみる』 (朝日新聞社, 1997)
• - 『近代史のなかの教育』 (岩波書店, 1999)
• - 『国定忠治』 (岩波新書, 2000)
• - 『江戸村方騒動顛末記』 (ちくま新書, 2001)
• - 『清水次郎長と幕末維新 『東海遊侠伝』の世界』 (岩波書店, 2003)
• - 『博徒の幕末維新』 (ちくま新書, 2004; ちくま学芸文庫, 2018)
• - 『大原幽学と幕末村落社会 改心楼始末記』 (岩波書店, 2005)
• - 『幕末狂乱 コレラがやって来た!』 (朝日選書, 2005)
• - 『江戸の教育力』 (ちくま新書, 2007)
• - 『国定忠治を男にした女侠 菊池徳の一生』 (朝日選書, 2007)
• - 『清水次郎長 幕末維新と博徒の世界』 (岩波新書, 2010)
• - 『大原幽学と飯岡助五郎 遊説と遊侠の地域再編』 (山川出版社, 2011)
• - 『地方文人の世界』 (同成社江戸時代史叢書, 2011)
• - 『韮山代官江川家と地方支配』 (岩田書院, 2011)
• - 『小栗上野介忠順と幕末維新 『小栗日記』を読む』 (岩波書店, 2013)
• - 『白隠 江戸の社会変革者』 (岩波現代全書, 2014)
• - 『江戸の平和力 戦争をしなかった江戸の250年』 (敬文舎, 2015)
• - 『一茶の相続争い－北国街道柏原宿訴訟始末』 (岩波新書, 2017)

また、共著として『佐倉義民伝の世界 歌舞伎「東山桜荘子」初演をめぐって 鼎談』（嵐圭史、小池章太郎と共著, 歴史民俗博物館振興会, 2003）もある。このように高橋敏は、江戸時代の歴史を様々な視点から掘り下げ、多くの知見を私たちに提供している。

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