高田勝生

高田勝生の野球人生

高田勝生（たかだ かつお、1904年 - 1997年）は、日本の野球界で重要な役割を果たした選手であり監督です。彼は京都府に生まれ、京都三中から同志社大学へ進学しました。大学時代には投手として活躍し、その後のキャリアに大きな影響を与えました。

監督としてのキャリア

高田は、山陽電鉄を経て明石中学の監督に就任し、そこで数多くの有望な選手を育てました。特に、楠本保や中田武雄、山田勝三郎、嘉藤栄吉などが彼に指導を受けた選手たちです。彼が指揮を執っていた時期に行われた「中京商対明石中延長25回」の試合も伝説として語り継がれています。この試合は高田が監督としての名声を確立するきっかけとなりました。

1938年には34歳という若さでライオン軍の監督に招かれ、選手登録もしていたため試合にも出場しました。特に1939年8月7日の巨人戦では、予期せぬ形で一塁手としてプレイし、センター前ヒットを打つという珍しい経験をしました。選手としての出場はほぼその1試合のみでしたが、記録上は通算打率10割という珍しい数字を持っています。

成績と困難

ライオン軍の監督としては3年間指揮を執り、近藤久や鬼頭数雄、坪内道則といった選手が活躍しましたが、チームの成績は低迷しました。特に親会社の会社合併や不祥事により、チームの士気が低下し、1938年の秋季での勝率.487が最高でした。1940年に監督の座を後任に譲った後、1943年に南海軍の監督に就任しますが、ここでも戦時下の影響で主力選手の招集や練習条件の厳しさから成績は芳しくなく、また自身も大きなショックを受ける出来事が続きました。

前年にエースピッチャーの神田武夫が若くして亡くなった自体は、彼にとって大きな痛手であり、7月27日には加藤喜作に監督の座を譲り辞任することとなりました。その後、高田が野球監督として活動していたという記録は見つかっておらず、戦後の消息も明らかにはなっていませんでしたが、2020年にはベースボールマガジン社の「名将の肖像」において彼が1997年に亡くなったことが確認されました。

評価

高田勝生については、その強力な指導力と指導によって高校野球での実績が評価されていましたが、プロ監督としての戦績が振るわなかったことから、野球評論家の竹中半平からはあまり評価されない面もありました。竹中は、高田の業績からプロ監督として期待されていたにもかかわらず、彼には凡庸な印象が残ったと述べています。

高田勝生は、日本の野球界において多くの選手やチームを指導し、影響を与えた指導者としてその名を残しています。彼の功績は、今なお多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索