高砂浦五郎 (初代)

高砂浦五郎の生涯と業績

高砂浦五郎（たかさご うらごろう、1839年1月5日 - 1900年4月8日）は、千葉県東金市出身の著名な相撲力士であり、明治期における相撲界の重要な人物です。彼は高砂部屋の創設者としても知られ、相撲界に多大な影響を与えました。最高位は前頭筆頭で、身長170cm、体重100kgの体格を持っていました。

力士としての活躍

高砂浦五郎は農家の三男として生まれ、若い頃から地元の土地相撲で活躍を見せました。20代半ばで江戸に出て、3代阿武松庄吉の指導を受けることになります。1863年8月、彼は初めて土俵に上がり、1865年には序ノ口の地位に昇進しました。1867年には三段目に進出し、その際「高見山大五郎」という四股名を名乗るようになりました。1869年11月、彼は幕内に昇進しますが、初土俵が遅かったため、32歳という年齢での上昇でした。

その後、明治維新期の混乱の中で、彼は藩に対する忠義を忘れず、他藩に鞍替えする力士たちを糾弾しました。酒井候から再び姫路藩に仕官し、「高砂浦五郎」という名を与えられ、相撲界での地位を確立しました。

「高砂改正組」事件

高砂を歴史に刻んだ事件の一つが、1873年に発生した「高砂改正組」事件です。当時、相撲界は年寄など一部の人々によって利益が独占され、力士たちへの報酬が不公平でした。これに抗議する形で、高砂は250名の力士による連判状を作成。しかし、その後状況は改善されず、高砂は仲間たちと共に会所からの脱退を決意し、名古屋を拠点とした「高砂改正組」を結成しました。彼らは新たな興行を展開しますが、資金面での苦境に直面することとなります。

1878年には調停が成立し高砂は会所に戻り、改革を進める一方で相撲界の中枢に入り込みました。この合併により、相撲界の領導体制が一新されました。

権勢とその終焉

高砂はその後、相撲会所での地位を確立し、1883年には取締の地位に就き、数々の改革を実現しました。彼はまた、横綱初代西ノ海や多くの力士を育成し、高砂部屋は相撲界の一大勢力としての地位を築きました。しかし、次第に彼の権勢が過剰となり、他の力士との軋轢を生む結果となります。

1895年、彼がもたらした混乱の中、「中村楼事件」と呼ばれる抗議行動が起きることになります。これにより高砂は権力を失い、相撲界は新たな時代を迎えました。

1900年4月8日、高砂浦五郎は脳の病によりその生涯を閉じました。

主な成績

高砂浦五郎は幕内成績で40勝17敗4分19休という成績を残し、勝率は.701に達しています。この数値は彼の技術とポテンシャルの高さを示しており、相撲界での重要な存在であったことを象徴しています。彼の粘り強さや改革への情熱は、今もなお多くの人々に語り継がれているのです。

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