高見山 (広島県)

高見山（たかみやま）

広島県尾道市（旧御調郡向島町）に位置する標高283mの山で、旧向島町の最高峰です。瀬戸内海国立公園内にあり、芸予諸島の向島南部に位置しています。

概要

高見山は、瀬戸内海の多島美を一望できる絶好のロケーションにあります。山頂からは360度のパノラマが広がり、四国山脈や瀬戸内海に浮かぶ島々を見渡すことができます。かつては村上水軍が物見の山として利用しており、歴史的な背景も持っています。山頂付近には電波塔が多数設置されており、放送の要所としての役割も担っています。

放送送信設備

高見山には、テレビとFMラジオの送信所が設置されています。アナログ放送時代には備後地区の基幹局として、広範囲をカバーしていました。FM放送は岡山県南西部まで電波が届き、特にFM岡山が開局する前は、岡山県でも広島FM尾道局が広く聴取されていました。

送信塔は、NHK総合・NHK-FM共用、NHK教育単独、広島テレビ・広島ホーム・テレビ新広島共用、中国放送・広島FM・FMおのみち共用の4つに分かれています（テレビ放送はアナログ）。中国放送の送信塔は2012年6月頃にほぼ撤去され、残された部分には放送用途以外の電波送信機が取り付けられています。

デジタルテレビ放送の備後地区基幹局は、福山市の彦山に移ったため、高見山のデジタル放送の出力はアナログ放送の20分の1と低くなっています。デジタル放送の送信アンテナは、NHK総合・NHK-FM共用塔の中間部北側に設置され、愛媛県に電波が飛ばないように指向性を持たせています。これにより、高見山の南東側の麓に位置する向島干汐地区は難視聴エリアとなっていますが、アンテナを彦山に向ければ全局良好に受信可能です。隣接する向島と沼隈半島にある高見山と彦山は直線距離で約15kmしか離れておらず、中間に障害物もないため、相互で高利得に受信できます。両山の中間部にある向島・旧尾道市街・松永・沼隈町エリアでは、どちらの送信施設にアンテナを向けても高利得を得られる状況にあります。

地上デジタルテレビジョン放送送信設備

JNN系列局のRCCのリモコンキーIDは、全国のJNN系列局で一般的な「6」ではなく、自社のアナログ親局チャンネルの「4」でもなく「3」となっています。これは、当初は北海道放送（HBC）などと同じ「1」を選択したものの、アナログ親局が1chでない場合はNHK総合が「1」を使用するため、民放最小番号となる「3」を選択したためです。この結果、RCCだけが全国標準のリモコンキーIDを使用しない形となりました。

隣接県で「6」を使うJNN系列の山陰放送（BSS）・RSK山陽放送（RSK）・あいテレビ（ITV）は、広島県で受信する場合もそのまま「6」となります。山形県・山梨県・福井県・高知県・大分県と同様に、リモコンキーIDの配列が開局順となっているほか、「8」を使うFNN系列のtssだけが“飛び地”となって、仲間外れ状態になっています。

地上アナログテレビジョン放送送信設備

地上アナログ放送は2011年7月24日に終了しています。

FMラジオ放送送信設備

高見山には、FMラジオ放送の送信設備も設置されています。広範囲にわたり、FMラジオ放送を送信しています。

マルチメディア放送

2012年7月1日から、VHF11chの周波数帯でマルチメディア放送（NOTTV）が開始されました。旧広島テレビ放送アナログ送信所（VHF12ch）跡を改修して使用していました。しかし、2016年6月30日にNOTTVはサービスを終了しました。

備考

NHKのアナログ中継局は、尾道市内にあるにもかかわらず福山中継局となっていました。これは、当初NHKの放送局が尾道市内に置かれ、NHK尾道放送局として開局したためです。その後、1967年3月15日に放送局が福山市に移転し、NHK福山放送局と改称された際に、当送信所も福山局と改称されました。

福山市中心部からは沼隈半島が障害となり受信障害が発生したため、後に蔵王山に福山中継局（NHK福山放送局に改称後は福山蔵王中継局）が開設されました。NHKのコールサインは1988年のNHK福山支局降格後もしばらくは残っていましたが、2003年11月1日に廃止されました。

2011年7月24日24時前のアナログ波停波直前には、RCCで最後のコールサイン「JOEE-TV」の読み上げが行われました。

脚注

* 国立公園高見山 - 尾道市

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