高辻長直

高辻長直

高辻長直（たかつじ ながなお）は、室町時代後期から戦国時代にかけて生きた公卿です。権大納言・高辻継長の子として生まれ、正二位・権大納言まで昇進しました。

生涯

文明17年（1485年）に従三位に叙され、公卿としての道を歩み始めます。長享2年（1488年）には参議に任ぜられ、延徳元年（1489年）には式部大輔を兼務し、北野の長者となりました。

33年もの間、氏長者の地位にありましたが、その昇進の過程は必ずしも順風満帆ではありませんでした。東坊城和長は、延徳4年（1492年）に長直が権中納言になった際、彼に才能がないにも関わらず長者の地位に就いたことが、その後の昇進につながったと批判しています。

永正3年（1506年）には、危篤状態に陥った長直が権大納言に任ぜられます。これは、長直自身の功績というよりも、死の間際の父親を昇進させたいという子・章長の願いと、章長自身および五条為学の功績によるものでした。しかし、その後長直は奇跡的に回復しています。

一方で、氏長者としての役割はしっかりと果たしました。同族の唐橋在数が九条政基・尚経父子に殺害された際には、一族を率いて政基父子を朝廷に告発しました。また、孤児同然となった五条為学を養育し、五条家を存続させるなど、一族の長としての責任を果たしています。

自らの才能を認識していたためか、子・章長と五条為学を東坊城和長の門下に入れています。永正8年（1511年）に正二位に叙せられ、大永2年（1522年）に72歳で薨去しました。

系譜

父：高辻継長（1414-1475）
母：不詳
妻：藤波秀忠の娘
長男：高辻章長（1469-1525）

参考文献

橋本政宣 編『公家事典』吉川弘文館、2010年 ISBN 978-4-642-01442-7 P772
伊藤慎吾『室町戦国期公家社会と文事』三弥井書店、2012年 ISBN 978-4-8382-3218-5　P23・78-79・119・122・125-126

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