五条為学

五条為学（ごじょう ためざね）は、室町時代後期から戦国時代にかけての激動の時代を生きた公卿です。五条家10代当主として、朝廷において重要な役割を果たしました。彼の生涯は、日記『拾芥記』を通じて垣間見ることができます。


生い立ちと苦難

文明13年（1481年）、父・為親の急病により、為学は元服前にもかかわらず内裏に初出仕することになります。しかし、その直後に父が病死。さらに、為学の母が彼を五条家の同族である高辻長直の妻の養子に出し、夫の遺領を奪おうとする事態が発生します。母の死後、為学の五条家相続資格が問題視されましたが、高辻長直の尽力により、無事に五条家を相続することができました。その後、為学は長直によって養育され、長享元年（1487年）に元服を迎えます。


朝廷での活躍

若年期から朝儀における執筆役を務め、三条西実隆や甘露寺親長といった有力者からも高く評価されました。明応5年（1496年）には少納言、同8年（1499年）には大内記に任ぜられ、文亀元年（1501年）には29歳という若さで文章博士に任じられます。その後も順調に昇進を重ね、永正11年（1514年）に従三位、同13年（1516年）には参議に任ぜられました。享禄3年（1530年）には、北野天満宮の長者となります。


晩年

大永8年（1528年）に正二位に昇叙。天文5年（1536年）には後奈良天皇の侍読に任ぜられ、同10年（1541年）には権大納言に任ぜられます。しかし、間もなく辞任し、天文12年（1543年）に72歳で薨去しました。


人物

五条為学は、幼少期の苦難を乗り越え、学問に励み、朝廷で重要な地位を占めるに至りました。彼の才能は、同時代の公家たちからも高く評価され、その日記『拾芥記』は、当時の社会や文化を知る上で貴重な資料となっています。


家系

父：五条為親
母：不詳
妻：不詳
男子：五条為康


参考文献

橋本政宣 編『公家事典』吉川弘文館、2010年 ISBN 978-4-642-01442-7 P782
伊藤慎吾『室町戦国期公家社会と文事』三弥井書店、2012年 ISBN 978-4-8382-3218-5　P77-81

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