高須清

高須 清（たかす きよし）

高須清は1914年4月28日生まれの愛媛県出身のプロ野球選手です。プレイヤーとしては二塁手、三塁手、遊撃手、外野手の役割を果たし、彼の俊足とユーティリティ性で知られています。

来歴・人物

高須は愛媛県立松山商業学校（現在の愛媛県立松山商業高等学校）に在籍中、4回もの甲子園出場を果たしました。特に1930年の春の大会では遊撃手として活躍し、チームは準優勝を獲得しました。このときの仲間には、後に阪神で活躍する景浦將や、同じくイーグルスのチームメイトとなる寺内一隆、さらに巨人の三森秀夫などがいました。

彼は「高須の三塁打」と呼ばれるほど、地元愛媛では俊足を存分に発揮したプレイヤーとして人気が高く、地域の歌にもなりました。

松山商業卒業後の1933年には早稲田大学に進学し、直ちに遊撃手のレギュラーに選ばれました。早大在籍中には特に1935年の春季リーグで打率.447を記録し、首位打者に輝くなど、華々しい成績を収めました。また、彼はリーグ通算で65打点という記録を保持しており、これは戦前の選手の中でも際立つ成績です。さらに、早稲田大学では主将を務めるなど、チームの中心選手としても評価されていました。

1939年にはイーグルスに入団。これは、大日本麦酒の社長である高橋龍太郎の支援により実現しました。当時、プロ野球選手の入団ニュースは注目を集め、特に高須が早稲田での名声を持っていたことから期待も大きかったのです。入団からすぐに新人東西対抗戦で東軍の主将に選ばれ、その後の6月17日の大阪戦では若林忠志から4打数4安打を達成し、初ホームランも記録しました。

彼は選球眼に優れ、四球数は三振を大きく上回る安定したバッティングを見せていました。しかし、シーズンが進むにつれ成績は低下し、最終的に打率は.191に終わり、イーグルスでの活動は当シーズン限りで終了しました。

この経過については、高須自身が職業野球のスポーツマンシップに対し甘い認識を持っていたことも影響していたとされています。その後、約5年のブランクを経て1946年に藤本定義監督に誘われてパシフィックに加わり、再び球界に復帰する機会を得ました。ただ、ブランクの影響もあり、パシフィックでの成績は打率.145に終わり、ホームランも無く、シーズン途中の8月末に現役を引退しました。彼が付けていた背番号8は、後に白石敏男に引き継がれました。

現役引退後の高須の生活についての情報は不明ですが、早稲田大学で1年先輩だった小島利男との親交は深く、二人はよく小倉みね子の楽屋を訪れていたと言われています。小島が後に妻となる小倉との関係がキーとなり、彼らの絆は強かったようです。

高須清の記録と活躍は、愛媛県出身の野球選手の中でも特に貴重な存在として今も語り継がれています。

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