高須順一

高須順一（たかす じゅんいち）

高須順一氏は、1959年生まれの日本の法学者であり、民法を専門としています。法学博士（京都大学）の学位を持ち、法政大学大学院法務研究科長を務める傍ら、弁護士としても活動しています。また、最高裁判所民事規則制定諮問委員会の委員も務めるなど、幅広い分野で活躍しています。

人物・経歴

東京都出身の高須氏は、1982年に法政大学法学部法律学科を卒業しました。大学在学中は、民法学を専門とする下森定教授のゼミナールに所属し、民法に対する深い知識を培いました。同ゼミには、東京高等裁判所部総括判事の木納敏和氏も一年後輩として在籍していました。大学卒業後、京都大学大学院法学研究科に進学し、法政理論を専攻。1985年に同大学院博士課程を修了しています。

1988年には弁護士登録（東京弁護士会）を行い、弁護士としてのキャリアをスタートさせました。その2年後の1990年には、母校である法政大学法学部で兼任講師を務め、後進の指導にも携わりました。2004年には法政大学大学院法務研究科教授に就任し、2018年からは同研究科長を務めています。

社会的活動

高須氏は、学術活動だけでなく、社会的な活動にも積極的に関わっています。過去には、日本弁護士連合会「司法制度調査会 民事部会」副部会長、東京弁護士会「法制委員会」委員長、明治安田生命保険相互会社社員総代、法制審議会民法（債権関係）部会幹事などを歴任しました。現在も、日本弁護士連合会「民事裁判手続きに関する委員会」幹事、公益財団法人「日弁連法務研究財団」常任理事を務めるなど、法曹界の発展に貢献しています。

著作等

高須氏は、民法に関する多くの著作を発表しており、その研究成果は学界や実務界で高く評価されています。主な著書として、以下のものがあります。

単著

『ロースクール民事法-要件事実とその先を目指して-』（酒井書店、2009年）
『民法（債権法）改正を問う-改正の必要性とあるべき姿-』（酒井書店、2010年）
『民法から考える民事執行法・民事保全法（第2版）』（商事法務、2017年）
『詐害行為取消権の行使方法とその効果』（商事法務、2020年）

共著

『債権法改正作業と濫用的会社分割』（商事法務、2013年）
『事案分析 要件事実-主張整理の基礎』（弘文堂、2015年）
『判例にみる詐害行為取消権・否認権』（新日本法規、2015年）
『ポイント整理 改正債権法』（弘文堂、2017年）
『Before/After 民法改正』（弘文堂、2017年）
『民事紛争解決の基本実務』（日本評論社、2018年）
『ケースでわかる改正相続法』（弘文堂、2019年）
『論点体系　判例民法〈第3版〉4　債権総論Ⅰ』（第一法規、2019年）
『債権法改正と実務上の課題』（有斐閣、2019年）
『新・マルシェ債権総論』（嵯峨野書院、2019年）
『実務解説 改正債権法［第2版］』（弘文堂、2020年）
『行為類型別 詐害行為取消訴訟の実務』（日本加除出版株式会社、2021年）

論文

『詐害行為取消権の法的性質とその効力』（法学志林、114/1、2017年）
『詐害行為取消権と詐害行為取消訴訟』（法律時報、1160、26-33、2021年）
『詐害行為取消権の新しい地平線』（民法学の伝統と新たな構想ー宮本健藏先生古稀記念、信山社、145-166、2022年）

専門分野

人文・社会
* 民事法学


高須順一氏は、民法研究における第一人者として、学界と実務界の双方において重要な役割を果たしています。その幅広い知識と経験に基づいた著作や活動は、日本の法曹界に多大な影響を与え続けています。

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