木納敏和

木納敏和（きのう としかず）氏は、1960年12月30日生まれの日本の裁判官です。現在は東京高等裁判所部総括判事を務めています。

人物・経歴

東京都出身で、法政大学法学部を卒業。大学在学中は、民法学が専門の下森定教授のゼミナールに所属していました。ゼミの先輩には、法政大学大学院法務研究科教授で弁護士の高須順一氏がいます。1986年に裁判官に任官して以来、各地の裁判所で要職を歴任しました。

1986年、名古屋地方裁判所判事補を皮切りに、東京、旭川、千葉の各地裁判所判事補、判事を歴任。1997年には山形地方裁判所米沢支部長に就任。その後、東京地方裁判所判事、司法研修所教官を経て、2006年に横浜地方裁判所判事に就任しました。

2010年には東京地方裁判所部総括判事、2015年には横浜家庭裁判所部総括判事を歴任。2017年には松江地方裁判所所長、松江家庭裁判所所長に就任しました。2018年には大阪高等裁判所部総括判事、2021年からは東京高等裁判所部総括判事として活躍しています。

裁判

木納氏は、数々の重要な裁判を担当しています。

北陸電力が志賀原子力発電所のタービン損傷で日立製作所に損害賠償を求めた事件では、日立製作所が60億円を支払う内容の和解を成立させました。
加護亜依さんの夫がサイゾーを名誉毀損で訴えた裁判では、サイゾーに対し110万円の損害賠償を命じる判決を下しました。

編著書

木納氏は裁判官としての活動の傍ら、法律に関する書籍の編集や執筆にも携わっています。主な編著書は以下の通りです。

『遠藤光男元最高裁判所判事喜寿記念文集』(遠藤光男元最高裁判所判事喜寿記念文集編集委員会、2007年)
『債権法の近未来像 : 下森定先生傘寿記念論文集』(小林一俊, 岡孝, 高須順一編、酒井書店、2010年)
『事案分析要件事実 : 主張整理の基礎』(高須順一, 大中有信と共編著、弘文堂、2015年)
『民事紛争解決の基本実務』(鈴木道夫, 高須順一, 藤原浩と共編著、日本評論社、2018年)

木納氏は、裁判官としてだけでなく、研究者としても活躍しており、日本の司法制度の発展に貢献しています。

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