髙橋秀聡

髙橋 秀聡

1982年8月26日、群馬県太田市に生まれた髙橋秀聡（たかはし ひであき）は、プロ野球の世界で投手として活躍した右投右打の選手です。サイドスローから投げ込む最速152km/hのストレートと、キレのあるスライダー、カットボールを主な持ち球としていました。シンカーも稀に投じることがありました。

プロ入り前

幼少期は群馬で過ごしましたが、家庭の事情から小学校を卒業する頃にはインドネシアのジャカルタ日本人学校で一時的に過ごしました。日本へ帰国後、大阪府東大阪市へ移り住んだことを機に、東大阪市立盾津東中学校へ入学。中学時代は控え投手であり、普段は外野手としてプレーしていましたが、肩の強さには定評があり、投手としても当時から速球を投げることができたといいます。大阪府立盾津高校へ進学すると、2年生の春からエースの座を掴みましたが、残念ながら春・夏いずれも甲子園大会への出場は叶いませんでした。

高校卒業後は九州共立大学へ進み、福岡六大学野球リーグで腕を磨きました。大学入学から2年生まで、リーグ戦での勝ち星には恵まれませんでしたが、3年生の春から実力を示し始めます。大学選手権では、2回戦で先発して無失点に抑え勝利投手となり、当時のチームのエースだった先輩・馬原孝浩の活躍もあり、チームはベスト4に進出しました。馬原が卒業した後は、背番号18のエースとしてチームを牽引。サイドスローから繰り出される140km/h台の速球を武器とする右腕投手として注目され、リーグ公式戦で通算17勝をマーク。この実績から、プロ球界からも即戦力として期待が高まりました。

プロ野球選手時代

2004年のプロ野球ドラフト会議で、地元の福岡ダイエーホークスから5巡目で指名を受け入団。九州共立大学硬式野球部からは、柴原洋、山村路直、新垣渚、馬原孝浩に次いで、髙橋がホークスの一員となりました。

ダイエー・ソフトバンク時代

プロ1年目の2005年は、二軍（ウエスタン・リーグ）で防御率2.98を記録し、7勝をマーク。これはリーグ2位の成績でした。さらに、奪三振数ではリーグ2位の高木康成（オリックス・バファローズ）に大きく差をつけ、見事奪三振王のタイトルを獲得しました。そして、9月22日の千葉ロッテマリーンズ戦でプロ初先発し、チームの連敗を止める価値あるプロ初勝利を挙げました。

先発投手としての活躍が期待された2006年は、開幕ローテーション入りを果たしますが、結果を出すことができず、登板した4試合すべてで敗戦投手を経験しました。しかし、二軍では防御率3.15（リーグ2位）で6勝を挙げ、吉見一起（中日ドラゴンズ）に差をつけて2年連続でウエスタン・リーグ奪三振王のタイトルを手にするなど、二軍では抜群の安定感を見せました。

2007年は、残念ながら一度も一軍での登板機会がないままシーズンを終えました。しかし、夏場には北京プレオリンピックの野球日本代表に選出され、予選リーグの中国戦ではリリーフとしてマウンドに上がり、1イニングを無失点に抑え勝利投手となっています。一方で、二軍では2005年に21個、2006年に8個、2007年に10個の死球を与え、3年連続で最も多くの死球を与えた投手となりました。二軍での奪三振王のタイトルとは対照的な記録を残しています。

2008年には、プロ1年目以来となる勝利を記録するなど、自己最多となる20試合のマウンドに上がりました。主にリリーフとして登板しましたが、7月16日の埼玉西武ライオンズ戦では、前日予告先発だったリック・ガトームソンの故障により、前日にリリーフ登板しながらも急遽先発のマウンドを任される場面もありました。二軍ではクローザーを担い、防御率0.98、8セーブと安定した投球内容を見せ、一軍でも7月21日のオリックス戦でプロ初セーブを記録しました。

2009年には、2005年以来4年ぶりに、一軍公式戦での先発登板で勝利を手にしました。シーズン通算では3勝を挙げましたが、挙げた勝利はすべてオリックス戦でのものでした。

2010年には、4月29日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦に先発で登板。一軍公式戦では自己最長となる8イニングを投げ1失点に抑え、勝利投手となっています。

オリックス時代

2012年1月17日、金子圭輔との交換トレードによりオリックス・バファローズへチームを移りました。移籍1年目は開幕一軍入りを果たし、主にリードを許した場面でのリリーフとして起用されましたが、4月21日の北海道日本ハムファイターズ戦で1回2失点と失点を重ね、5試合で防御率7.36という成績で翌日には二軍へ降格となりました。その後は再び一軍に呼ばれることなくシーズンを終え、ファームでも27試合で1勝1敗2セーブ、防御率4.50と満足のいく成績ではなかったようです。

2013年も、一軍での登板機会を得られないままシーズンが過ぎ、10月7日に球団から戦力外通告を受けました。

オリックス退団後

オリックスから戦力外となった後、他球団からのオファーを目指し12球団合同トライアウトに参加しましたが、声はかからず、2014年1月5日に現役引退を公にしました。翌1月6日からは、プルデンシャル生命保険の日本法人に勤めています。

選手としての課題としては、二軍で2度の奪三振王を獲得する一方で、3年連続で最多死球を記録したことからも分かるように、制球難に加え、被本塁打の多さも難点として指摘されていました。

プロ野球での主な記録には、2005年4月20日の対オリックス戦でのプロ初登板・初先発、同試合での初奪三振（村松有人から）、2005年9月22日の対ロッテ戦でのプロ初勝利・初先発勝利、2008年7月21日の対オリックス戦でのプロ初セーブ、2008年7月26日の対ロッテ戦でのプロ初ホールドなどがあります。背番号はソフトバンク時代が「13」（2005年 - 2011年）、オリックス時代が「54」（2012年 - 2013年）でした。登場曲は、2006年からサバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」を使用していました。

現役を離れた現在も、群馬県出身者や九州共立大学出身者、そして過去に所属した福岡ソフトバンクホークス、オリックス・バファローズに関連する人物として、多くの野球ファンに記憶されています。

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