鬱江

鬱江（うつこう）

鬱江は、中国南部（華南地区）を流れる重要な河川であり、珠江水系の西江（せいこう）の最大の支流です。雲南省東部から広西チワン族自治区南部を流れ、流域面積は89,677平方キロメートルに及びます。

流路

鬱江は、雲南省広南県に源を発する右江（うこう）と、ベトナム領内から流れ込む左江（さこう）が、広西チワン族自治区南寧市で合流して形成されます。右江は源流付近で達良河と呼ばれ、阿科河、泥洞河、八中河、那馬河、澄碧河などの支流を合わせながら流れます。

右江が百色市を過ぎ、南寧市に入ると、左江と合流して鬱江となります。南寧市街地では、鬱江は邕江（ようこう）とも呼ばれます。鬱江は、横州市を経て西津ダムに入り、ダムを出た後、貴港市を経て桂平市で西江に合流します。西江は、鬱江合流地点より上流では黔江（せんこう）、合流後では潯江（じんこう）と名前を変えます。

鬱江の本流は右江であり、右江の源流からの長さは1,157キロメートル、平均比降は0.33‰です。

流域の概要

鬱江の流域は、雲南省、広西チワン族自治区、そしてベトナムの一部にまたがります。流域面積の大部分は広西チワン族自治区が占めていますが、雲南省とベトナム領内にも広がっています。

この地域の地形はカルスト地形が特徴的で、峰々がそそり立ち、峡谷が縦横に走り、多くの鍾乳洞が見られます。気候は亜熱帯に属し、西北部では比較的乾燥し気温が低い一方、東南部では高温多湿です。

年平均気温は16.7～22.1℃、年平均降水量は1,115～1,470ミリメートルと、温暖で降水量の多い地域です。

水上交通の要

広西チワン族自治区の区都である南寧市を流れ、ベトナム国境方向へ伸びる鬱江は、古くから中国西南地方の重要な水上交通路として利用されてきました。この川は、地域経済の発展を支える重要な役割を果たしています。

西江最大の支流

鬱江は、西江の最大の支流であり、その流量は年間平均で476.7億立方メートルに達します。この豊かな水資源は、農業用水、工業用水、生活用水として利用され、流域の住民の生活を支えています。

まとめ

鬱江は、中国南部の重要な河川であり、その流路、流域の地形、気候、水上交通における役割など、多くの特徴を持っています。珠江水系の重要な一部として、この地域の人々の生活と経済活動に深く関わっています。

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