鬼怒川橋梁 (宇都宮ライトレール)

鬼怒川橋梁（きぬがわきょうりょう）

鬼怒川橋梁は、栃木県宇都宮市に位置する宇都宮芳賀ライトレール線の鉄道橋です。この橋は、宇都宮市下平出町から竹下町の間を流れる鬼怒川に架かっており、複線で構成されているため、電車の通行専用として利用されています。また、法的には道路橋としての側面も持っています。

概要

宇都宮芳賀ライトレール線は、宇都宮駅と鬼怒川左岸の工業団地群を結ぶ新しい交通の便を提供することを目的とした路線で、鬼怒川を渡る部分については当初、柳田大橋との併用軌道として整備する案が検討されていましたが、2002年度の調査結果に基づき、利用者利便性向上を目指して専用軌道区間として整備することに決定されました。これにより、清原工業団地と直結する形で新たな橋を架ける方針が示されました。

建設に関する正式な事業化は2013年にスタートし、その後、結局2018年から2021年にかけて工事が進められ、2021年8月に橋梁が完成しました。最終的に、宇都宮芳賀ライトレール線は2023年に開業し、正式に供用が開始されました。工事には約46億円の費用がかかりました。

構造

鬼怒川橋梁は、プレストレストコンクリート製の9径間連続構造を採用した桁橋で、その全長は643メートルにおよびます。この橋の設計は、いくつかの要因を考慮して行われました。橋脚は10本あり、河川内の管理に配慮された配置がされています。支間の長さは西から順に約65メートル、70メートル、78メートル（5径間）、60メートルおよび57メートルで構成されています。

また、橋桁内には点検用通路が通っており、保守作業を容易に行えるよう配慮されています。設計に際しては、経済性や施工性に加えて環境への影響や維持管理の観点も考慮されています。さらに、ガス管やケーブルテレビ用の配管も内蔵されており、将来的なメンテナンスに配慮した構造となっています。

施工に関する工夫

鬼怒川橋梁の施工は、特に河川内での工事が難しいため、三つの渇水期に分けて行われました。各期間において、工程を短縮するためのさまざまな工夫が採られ、特に基礎工事では大型の仮仕切りを使用し、同時施工を行うことで工期を短縮しました。工事中には、工期の効率化や施工機械の変更など、柔軟な対応が求められました。

竣工・供用開始

鬼怒川橋梁は順調に工事が推進され、2021年8月に竣工しましたが、この時点で宇都宮芳賀ライトレール線の他の区間の開発が遅れ、開業は予定よりも約1年延期されることとなりました。その後、2023年の8月26日に開業し、この橋は正式に営業運転を開始しました。

見学会や地域住民とのイベントも計画されましたが、COVID-19の影響により一部中止となる一方、U字工事のメンバーによる寄せ書きなど地域の文化に影響を与える存在となりました。

これからも鬼怒川橋梁は、地域交通の一環として多くの利用者に役立ち続けることでしょう。

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