魁将龍邦昭

魁将龍 邦昭

魁将龍 邦昭は、1979年7月3日に東京都江東区で生まれた元大相撲力士です。友綱部屋に所属し、本名を西野 邦昭といいます。身長196cm、体重149kgという恵まれた体格を誇り、左四つからの寄りを得意としました。現役時代の最高位は、2004年7月場所で記録した西幕下6枚目でした。

彼は相撲一家の出身としても知られています。祖父は元十両の一錦、父は元関脇で後に友綱部屋の師匠を務めた魁輝です。さらに、義理の大伯父には元小結の巴潟がおり、巴潟の妻と祖父・一錦の妻は姉妹で、いずれも元小結・矢筈山の養女という、相撲界に深く根ざした家系でした。2002年には弟を亡くすという悲しい出来事も経験しています。

幼少期からバスケットボール、野球、柔道など様々なスポーツに取り組んだ経験を持ち、趣味は読書、スポーツ観戦、映画鑑賞、好きな食べ物は和食でした。

1995年3月場所で、本名の西野 邦昭の四股名で角界入りを果たしました。同期には後の小結・栃乃花、幕内・大碇、十両・豊乃國といった力士たちがおり、彼はその中でも一番出世を飾るなど、将来を嘱望されていました。

順調に番付を上げ、特に2003年9月場所からは連続して勝ち越しを続け、自己最高位となる西幕下6枚目まで番付を押し上げました。この頃、雑誌『相撲』の「大銀杏が待っている」という企画でも紹介されるなど、十両昇進が間近と見られていました。しかし、あと一歩のところで壁に阻まれます。2004年9月場所、11月場所と2場所連続で3勝4敗と惜しくも負け越してしまいます。特に11月場所の7番相撲では膝に大怪我を負い、医師から手術を勧められるほどの重傷でした。この怪我により手術を受け、番付を三段目まで大きく下げてしまいました。

怪我からの復帰を目指す中、再び試練が訪れます。2006年1月場所の取組中に左手親指を骨折し、再び手術を受けることになります。度重なる怪我に苦しみながらも、同年7月場所では三段目4枚目の地位で初めての7戦全勝を達成し、優勝決定戦に進出しました（決定戦では敗退）。この活躍により、翌9月場所では久々に幕下上位へ復帰を果たしましたが、残念ながら2勝5敗と負け越してしまいます。彼の相撲については、その長身を活かしきれていないために歩行障害に悩まされている側面があるとも指摘されていました。

結局、関取の地位に昇進することは叶わず、2010年1月場所をもって現役を引退しました。番付上は2010年3月場所まで名前が残りました。

魁将龍としての通算成績は、310勝264敗56休、91場所を務め上げました。

現役中には、四股名や使用する漢字の変更がありました。入門から1997年5月場所までは本名の西野 邦昭。1997年7月場所から2004年1月場所までは魁将龍 邦昭。2004年3月場所から2006年5月場所までは魁將龍 邦昭（「将」の偏が「爿」の字を使用）。そして2006年7月場所から引退まで再び魁将龍 邦昭と名乗りました。

引退後、彼は第二の人生を歩み始めます。まずは、11代友綱親方のおかみが経営していた旧友綱部屋の一部を改装したちゃんこ鍋料理店「ちゃんこ魁」で料理人としての修行を積みました。この店は2016年3月に閉店しましたが、同年5月には同じ場所で彼自身がオーナーとなり、「相撲ばる魁ちゃん」としてリニューアルオープンさせ、現在も経営に携わっています。

さらに、飲食業だけでなく、多岐にわたる分野で才能を発揮しています。相撲歴史探求家として歴史に関する知識を深め、セミナー講師として講演活動を行っています。また、パーソナルシードマスターコーチとして個人の潜在能力開発をサポートしたり、占星術師や前世リーディングといったカウンセリング活動も行うなど、角界で培った経験とは異なる、新たな道を精力的に開拓し続けています。力士として夢半ばで土俵を去ることになった魁将龍ですが、その後の人生では様々な分野で活躍し、多くの人々と関わっています。

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