魚沼市消防本部

新潟県魚沼市に拠点を置く魚沼市消防本部（うおぬまししょうぼうほんぶ）は、同市の消防業務を担う組織です。魚沼市全域を管轄区域とし、火災予防・消火活動、救急搬送、救助活動など、多岐にわたる消防サービスを提供しています。本部は魚沼市四日町に置かれています。管内面積は946.93平方キロメートルに及び、この広大なエリアの安全を守るため、72名の職員定数をもって任務にあたっています（職員数は時期により変動する可能性があります）。

組織としては、魚沼市内に消防署が1カ所、そして出張所が1カ所設置されています。これらの拠点から、日々の消防・救急活動や住民への防災啓発活動などが行われています。

保有する主な車両や資機材（2023年4月1日現在）は以下の通りです。

普通消防ポンプ自動車：3台
水槽付消防ポンプ自動車：1台
はしご付消防自動車：1台（高層建物火災や救助に対応）
高規格救急自動車：4台（高度な救命処置に対応）
救助工作車：1台（事故や災害現場での救助活動に使用）
指揮車：2台（災害現場での指揮・情報収集）
資機材搬送車：1台（各種資機材を運搬）
連絡車：3台（職員の移動や情報伝達）
広報車：1台（防災広報や啓発活動）
人員搬送車：1台（多数の人員移動）

魚沼市における消防体制の歴史は、1966年4月にまで遡ります。当時、北魚沼郡の小出町と湯之谷村が共同で「小出郷消防・衛生施設組合」を設立したことに始まります。翌1967年4月には、この組合の消防部門として小出郷消防本部が設置されました。さらに同年6月には小出郷消防署が開設され、本格的な消防・救急業務が開始されました。消防庁舎が完成したのは1967年12月のことです。

その後、周辺自治体も順次組合に加入していきました。1970年4月には堀之内町、1971年6月には広神村が加わりました。装備の面でも強化が進み、1971年10月には化学消防車が配備され、特殊火災への対応能力が向上しました。1972年4月には守門村と入広瀬村も組合に加わり、管轄区域が拡大しました。消防活動の拠点として、1972年5月には新たな消防庁舎が現在の場所（魚沼市四日町）に竣工しました。さらに、同年10月には地域密着型の拠点として渋川出張所が開設され、迅速な初期対応体制が整備されました。

1976年11月には、小出郷消防・衛生施設組合を母体とし、清掃センター組合や伝染病舎組合を統合再編する形で「小出郷広域事務組合」が発足しました。これに伴い、消防組織の名称も「小出郷広域事務組合消防本部」へと変更されました。装備の近代化も進み、1978年9月には24メートル級のはしご付消防車が導入され、高層建物火災などへの対応力が強化されました。1982年2月には救助工作車が配備され、多様な災害現場における救助能力が向上しました。また、消防の活動をPRし、地域住民との連携を深める目的で、1984年6月には消防音楽隊が結成されました。救急体制においても、1994年1月には最新の高規格救急車が導入され、高度な救命処置が現場で行えるようになりました。

大きな転換期を迎えたのは2004年11月です。堀之内町、小出町、湯之谷村、広神村、守門村、入広瀬村の6町村が合併して魚沼市が誕生したのに伴い、合併の前日をもって小出郷広域事務組合は解散し、その業務は新設された魚沼市へと引き継がれました。これにより、魚沼市は単独で消防組織を運営することとなり、「魚沼市消防本部」が新たに設置されました。

本部機構は、消防総務室、予防室、警防室の各部署で構成されており、それぞれ総務・人事、火災予防・危険物、警防・救助・救急といった専門分野を担当しています。

その他特記事項として、魚沼市消防本部の庁舎内には気象観測所（アメダス）が設置されており、地域の気象情報が常時測定・記録されています。これは、気象状況が消防活動に大きく影響することから、迅速かつ正確な情報収集を行うための重要な設備となっています。

このように、魚沼市消防本部は、長年にわたる広域連携の歴史を経て、市の誕生とともに単独の消防組織として確立されました。地域住民の安全安心を守るため、日々訓練に励み、多様な装備を活用しながら、災害への備えと発生時の対応にあたっています。

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