鳥井峠

鳥井峠（とりいとうげ）

鳥井峠は、新潟県東蒲原郡阿賀町と福島県耶麻郡西会津町の境界に位置する標高199メートルの峠です。越後山脈上にあり、国道49号が経由しています。

概要

国道49号は、会津地方と新潟県を結ぶ重要な幹線道路であり、鳥井峠を経由しています。一方で、磐越西線や磐越自動車道は、鳥井峠を避け、磐越西線は阿賀野川近くを、磐越自動車道は黒森山トンネルで峠南方の山地を通過しています。

歴史

近世

江戸時代、鳥井峠は陸奥国会津若松（会津藩）と越後国新発田（新発田藩）を結ぶ越後街道の重要な経由地でした。越後街道は、新発田藩や村上藩の参勤交代にも利用され、会津五街道の一つとして重要な役割を担っていました。鳥井峠は越後街道の難所として知られ、越後からは干物や塩などの産物が、会津からは様々な産物が峠を越えて運ばれていました。

近代・現代

明治時代には、福島県令三島通庸による会津三方道路の整備が行われましたが、この事業では旧来の鳥井峠は通らなかったとされています。第二次世界大戦後、自動車交通が発展すると、国道49号が指定されましたが、当初は現在の旧道を経由していました。昭和40年代の国道49号一次改良により、峠の北側を経由するルートに変更されました。1971年（昭和46年）には、県境（標高232m）で国道49号一次改良の開通式が行われました。

国道49号

現在の国道49号は、福島県側から徐々に旧道の北側を登り、緩やかなカーブと鳥井大橋などを経て峠に至り、新潟県側へと下ります。これは昭和40年代の改良によって整備されたルートです。福島県西会津町の宝坂地区では、JR磐越西線の徳沢駅へ向かう福島県道384号徳沢宝坂線との分岐点があります。国道459号は、国道49号とは対照的に、県境付近では阿賀川、阿賀野川沿いの経路を通っています。

構造物

新宝川橋

竣工: 1968年（昭和43年）
長さ: 82.9m
主径間: 27.0m
幅員: 8.5m
構造: 3径間鋼単純活荷重合成鈑桁橋

鳥井大橋

竣工: 1968年（昭和43年）12月
延長: 115m
主径間: 42.0m
幅員: 8.5m
構造: 3径間鋼連続鈑桁橋
車線: 片側1車線（上下線合計2車線）

郡山国道事務所により、鳥井大橋付近のライブカメラが配信されています。

旧道

旧道は現在の国道49号の南側を経由します。福島県側からは、国道49号から分岐して白坂集落と宝川集落を通り、再び国道49号に合流します。その後、再び現道から分岐し、九十九折を経て峠へ上ります。峠から下ると、旧道は八ツ田集落を経由し、国道49号に合流します。近年、特に峠付近では樹木が生い茂り道路の荒廃が進んでいましたが、2008年より旧道の再整備が進められています。

脚注

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関連項目

日本の峠一覧
越後街道 (会津街道)
諏訪峠
惣座峠
車峠
束松峠

外部リンク

会津街道ブックレット・ルートマップ - 新潟県新潟地域振興局 企画振興部
* 道路管理の現況 - 建設省 東北地方建設局 郡山国道工事事務所

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