鳥居忠英

鳥居忠英

鳥居忠英（とりい ただてる）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、能登下村藩主、近江水口藩主を経て、下野壬生藩の初代藩主となりました。壬生藩鳥居家5代当主にあたります。

生涯

寛文5年（1665年）、信濃高遠藩の第2代藩主・鳥居忠則の次男として誕生しました。貞享2年（1685年）には、江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉に拝謁し、叙任されています。

元禄2年（1689年）には、父・忠則の家臣が江戸城馬場先門の守衛中に旗本の邸宅を覗き見た罪で逮捕され、取り調べ中に自害するという事件が発生しました。この事件を受け、主君である忠則も家中不取締の責任を問われ閉門を命じられます。閉門中の同年7月23日に忠則は急死（自害とも）し、幕府は鳥居家の家臣団統制の甘さを問題視し、忠英の家督相続を認めず、所領を没収し改易としました。しかし、鳥居氏の祖である元忠が幕府創設に多大な貢献をしたことを考慮し、忠英には新たに能登下村1万石が与えられました。

元禄8年（1695年）には、近江水口に1万石加増の上で移封。宝永2年（1705年）には奏者番と寺社奉行を兼任し、正徳元年（1711年）には若年寄に任じられました。その功績から、正徳2年（1712年）には1万石を加増され、合計3万石をもって下野壬生に移封されています。

壬生藩主としては、領内の殖産興業政策、特に干瓢栽培を奨励し、藩校である学習館を創設するなど、藩政の基礎を固めることに尽力しました。その善政から名君と称えられています。

正徳6年（1716年）3月21日に52歳で死去。実子は全て早世していたため、弟の忠瞭が養子となり跡を継ぎました。

系譜

父：鳥居忠則
母：福永氏（側室）

正室

島津綱久の娘

子女

彦千代
富太郎
熊次郎
牧野成央正室後に阿部正福継室、島津吉貴の養女
他3女

養子

* 鳥居忠瞭（実弟）

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