鳥海龍秀俊

鳥海龍秀俊（ちょうかいりゅう ひでとし）は、1965年5月19日に山形県飽海郡遊佐町で生まれました。本名を佐藤秀俊といい、181cm、183kgの体格で、力強い突き押し相撲を得意とした力士でした。血液型はB型です。

中学卒業後、鏡山部屋に入門し、1981年3月場所に初土俵を踏みました。当初は出身地である遊佐を四股名としていましたが、三段目までは順調に昇進したものの、怪我により1986年3月場所から5場所連続で休場し、序二段下位まで番付を落とす苦難を味わいました。

休場中に験直しとして四股名を本名の佐藤に戻し、復帰した1987年1月場所で序二段優勝を果たしました。この優勝を機に、四股名を鳥海龍に改名しました。この四股名は、優勝後の打ち上げで烏龍茶を飲んでいた際に思いついたとされています。また、この打ち上げの際、師匠の鏡山から、かつて部屋に所属していた兄弟子の元十両・佐ノ藤清彦に因んで「二代目佐ノ藤を襲名しようか？」とからかわれたことがきっかけで、自ら四股名を考えるに至ったという逸話も残っています。

改名後は、持ち前の突き押しにさらに磨きがかかり、幕下上位でも勝ち越せるようになりました。そして、1993年7月場所で念願の十両昇進を果たしました。しかし、十両では立合いの遅れを突かれる場面が多く、本来の相撲がなかなか取れず、4場所在位したのみで1994年3月場所に幕下へ陥落しました。

幕下陥落後は、怪我の影響もあり、三段目での土俵が長くなりました。晩年は三段目と序二段を往復する生活が続き、2000年1月場所を最後に現役を引退しました。

引退後は、鏡山部屋のマネージャーとして後進の指導に当たりました。また、引退後の2000年11月には、郷里のイベントで化粧回しなど現役時代の品々が展示された際、断髪した髷が盗まれるという珍しい事件に巻き込まれました。

鳥海龍の生涯成績は401勝360敗62休で、勝率は.527でした。十両での成績は27勝33敗で、勝率は.450でした。現役在位は114場所、十両在位は4場所でした。序二段優勝1回(1987年1月場所)を記録しています。

四股名の変遷は、初土俵から1986年5月場所までが遊佐秀俊、1986年7月場所から1987年1月場所までが佐藤秀俊、1987年3月場所から引退までが鳥海龍秀俊でした。

鳥海龍は、怪我に苦しみながらも、持ち前の突き押しで土俵を沸かせた力士でした。その相撲人生は、多くの人々に感動を与えました。

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