鳥羽屋里長

鳥羽屋 里長について

鳥羽屋 里長（とばや りちょう）は、長唄豊後節三味線方の伝統を受け継いだ名跡であり、特にその中でも唄方としての役割が注目されています。歴代の里長には多くの逸話と業績があり、彼らの功績は長唄の発展に貢献してきました。

初代 里長

初代里長は元文32年（1738年）に上総（現在の千葉県）で誕生しました。彼は盲目でありながら、音楽の道に身を捧げました。1754年には初代鳥羽屋三右衛門に師事し、三味線を学び始めました。1781年には里長の名を名乗り、富本節の三味線演奏を担当しました。その後、1784年に常磐津節に転向し、「積恋雪関扉」をはじめとするいくつかの楽曲を作曲しましたが、1794年以降の消息は不明となっています。

2代目 里長

2代目は、初代の門下生であり盲目の芸人でした。初代が常磐津節に転向した際、そのまま残り、故沢の姓を名乗って三味線を演奏しました。1797年には2代目里長を襲名しましたが、彼の生没年やその後の活動についての情報は不明です。

3代目 里長

3代目は常磐津三味線方初代岸澤八五郎の門弟で、1826年に2代目八五郎として知られました。その後、1839年には佐々木八五郎、さらに1846年に3代目里長を襲名しましたが、1851年以降はその動向が掴めません。

4代目、5代目 里長

4代目は後に清元斎兵衛と名を変えることになります。5代目里長は明治16年（1883年）に東京で生まれ、芸名を様々に変えつつも、最終的には鳥羽屋三十郎を名乗りました。彼には7代目富本豊前太夫という弟がいました。

6代目 里長

6代目は5代目の妻で、詳細な生涯についての情報はあまり残されていませんが、その影響や活動は評価されています。

7代目 里長

昭和11年（1936年）に誕生した7代目里長（本名：川原壽夫）は、長唄協会の会長や歌舞伎音楽専従者協議会の理事長を務めるなど、様々な役割を果たしてきました。彼は幼少の頃から多くの師匠からの指導を受け、1955年には2代目芳村伊千十郎を襲名しました。1974年に7代目里長の名を受け継いだ彼は、人間国宝としても知られています。

受賞歴と制作

7代目里長は作曲家としても活動しており、「ほととぎす」などの作品を手掛けています。彼の功績には、1979年の芸術祭賞優秀賞、2006年の旭日小綬章、2017年の日本芸術院賞、2022年の文化功労者などがあります。彼の実子である3代目鳥羽屋三右衛門は2013年に襲名し、伝統を受け継ぎ続けています。

まとめ

鳥羽屋里長は、日本の伝統音楽において重要な役割を果たす存在です。その血脈は代々にわたり、今なお新たな才能が名を馳せています。彼らの業績は、長唄の深みと魅力を伝え続けるものとして評価されています。

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