鳥羽市立鳥羽東中学校

三重県鳥羽市に位置する公立中学校、鳥羽市立鳥羽東中学校は、「東中」や「鳥羽東」の愛称で親しまれています。

開校は1979年4月1日。これは、それまで独立して存在していた鳥羽中学校、桃取中学校、菅島中学校の3校と、加茂中学校区の一部だった安楽島地区の生徒を統合して新たな学び舎を設立するという形で実現しました。開校にあたっては、「21世紀の鳥羽を担う人間性豊かで心身ともに健全な生徒の育成」を教育目標に掲げ、当時としては最新鋭の施設・設備を備えた学校としてスタートしました。

校舎は、鳥羽市街からほど近い山の中腹に建ち、眼下に伊勢湾の美しい景色を望むことができます。地域の指定避難所としても機能しており、大明東町、大明西町、安楽島町の住民を受け入れる役割も担っています。

開校後も地域の教育環境の変化に対応し、例えば2005年度には412名の生徒が在籍しており、そのうち約80名は離島から鳥羽市営の定期船を利用して通学するなど、広域からの生徒を受け入れているのが特徴です。

沿革

鳥羽東中学校の歴史は、統合前の各校の歴史を受け継ぎつつ、新たな歩みを刻んできました。開校初年度の1979年11月には、学校グラウンドが第五種公認陸上競技場として認定され、体育・運動活動の拠点としての機能も強化されました。2001年にはボランティアサークル「虹の会」が結成され、地域貢献活動にも力を入れ始めます。2000年代に入ると、2002年に映画『十七歳』、2004年には映画『逆境ナイン』のロケーション撮影が行われるなど、メディアの舞台としても使用されました。また、2004年には学校経営品質のモデル校指定を受けるなど、学校運営の質の向上にも取り組んでいます。2008年には中部国際空港の航空機騒音調査が行われ、基準値を大幅に下回る結果となりました。一方、2011年には窓ガラスや夜間照明が破損される事件も発生しています。さらに、学校統合は開校時で終わらず、2014年4月1日には鏡浦中学校、2022年4月1日には長岡中学校をそれぞれ統合するなど、周辺地域の中学校再編における中心的な役割を担っています。

統合された学校

鳥羽東中学校の開校は、地域の複数の中学校が統合された結果です。主な統合元となったのは以下の3校です。

鳥羽中学校
1947年に鳥羽町立鳥羽中学校として開校。円形校舎が特徴的で、神戸製鋼所鳥羽工場の旧青年学校校舎への一時移転や、円形校舎、講堂、給食室の完成などを経て発展しました。国や県から生徒指導や道徳教育の研究指定を受けるなど、教育研究にも熱心でした。1979年3月31日に閉校しました。
桃取中学校
1947年に桃取村立桃取中学校として開校。新校舎の竣工や特別教室の増築などが行われました。バレーボール部が県大会で優勝するなど運動部活動も盛んでしたが、末期には校舎の老朽化が進んでいました。1979年3月31日に閉校しました。
菅島中学校
1947年に菅島村立菅島中学校として開校。当初は菅島小学校と校舎を共有していましたが、後に新校舎が完成し移転。1955年には火災で校舎を全焼する被害に遭いましたが、翌年には再建されています。島嶼部の学校として、文部省や県からへき地教育の研究指定を複数回受けるなど、地域特性に応じた教育を推進しました。1979年3月31日に閉校しました。

鳥羽東中学校に統合された鏡浦中学校と長岡中学校についても、それぞれの項目が存在します。

通学区域

通学区域は鳥羽市内の広範囲にわたり、鳥羽小学校、菅島小学校、安楽島小学校、弘道小学校の各学区の一部を含みます。これにより、様々な地域文化や保護者の職業背景を持つ生徒が集まる多様な学びの場となっています。一方で、広大な学区ゆえに地域ごとの結びつきや生徒間の交流促進には学校側の配慮が必要とされる側面もあります。

部活動

鳥羽東中学校では、様々な部活動が展開されています。
サッカー部
柔道部
卓球部
ソフトテニス部
バスケットボール部
バレーボール部
美術部
野球部
陸上競技部
剣道部
バドミントン部
フェンシング部

著名な出身者

渡瀬マキ（シンガーソングライター）
稲澤真人（柔道家）
角谷萌々果（レスリング選手）

交通アクセス

学校へのアクセスは、三重交通バスまたはかもめバスの「鳥羽体育館前」バス停から徒歩約8分（約500m）です。離島からの生徒は、鳥羽市営定期船を利用して鳥羽に渡り、そこからかもめバスなどを乗り継いで通学しています。近鉄志摩線「志摩赤崎駅」からは徒歩約30分（約1.8km）の距離にあります。

周辺には三重県立鳥羽高等学校や鳥羽中央公園などがあります。

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