鳴門線

鳴門線（なるとせん）

鳴門線は、徳島県鳴門市の池谷駅を起点に鳴門駅までの約8.5kmを結ぶ四国旅客鉄道（JR四国）の鉄道路線です。この路線は地方交通線に分類され、高徳線を介して徳島市と淡路島に接続しています。ただし、淡路島及び京阪神エリアとの連絡手段としては、高速バスが主に利用されています。

路線の詳細

鳴門線は全線単線であり、電化されていない非電化区間です。駅数は起終点を含めて7駅ですが、鳴門線の専用駅としては池谷を除いた6駅です。また、最高速度は時速85km/hと設定されています。運行は全て普通列車で、通常は1時間に1本程度の頻度で運転されています。特に平日の朝には、鳴門と池谷間での列車が1往復しており、その多くは高徳線に乗り入れて徳島行きとなります。時折、試合開催日には臨時列車が運行され、アクセスを強化しています。

利用状況

鳴門線は経営上、利用状況が厳しくなっています。各年度の平均通過人員は少なめで、特に2008年には1日あたりの輸送密度がわずか1643人にまで減少しました。これは、同地域の他の交通機関、特にバスと比較して安定した乗客数を確保することを難しくしています。そのため、鳴門線は赤字83線に指定されながらも、近年も存続しています。一因として、通勤や通学需要が一定数存在しているため、運行が続けられています。

歴史

鳴門線の起源は1916年に遡ります。この年、阿波電気軌道が徳島と鳴門を繋ぐために路線を開業しました。その後、国有化されて阿波線に名称が変わり、1935年には高徳本線が全通したことにより、さらに整備が進みました。1952年に鳴門線と改名して以来、さまざまな歴史を歩んできました。以前は多くの車両が使用されましたが、現在は1500形や1200形などの限定された車両がメインで運行されています。

鳴門きんときライナー

2006年には、「鳴門きんときライナー」と呼ばれる臨時快速列車が運行されました。これは地元の中学生の提案で実現し、市の特産品である鳴門金時を基に命名されました。しかし、需要不足から半年間の運行の後、終了となりました。このように、鳴門線は地域の輸送手段としての役割を担い続けています。

鳴門線は、地域の生活に密接に関わっているだけでなく、歴史的背景も持つ重要な路線です。利用者にとって便利さだけではなく、地域の文化や特産品との繋がりをも生み出す存在として、今後の活躍が期待されます。

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