鵜沼町

鵜沼町の概要

鵜沼町（うぬまちょう）は、かつて岐阜県稲葉郡に存在していた町で、現在の各務原市の東部、鵜沼地区と各務地区にあたります。この町は、中山道の宿場町である鵜沼宿を中心に成り立っており、昭和30年代に名古屋鉄道犬山線の利便性が高まり、人口が急増しました。鵜沼町が各務原市となった後も、宅地の開発が進行し、名古屋市のベッドタウンとしての役割を果たしています。

歴史

鵜沼町の歴史は古く、飛鳥時代には「汙奴麻（うぬま）」という地名が記録された木簡が発見されています。また、平安時代には三十六歌仙の一人である藤原仲文の歌にも「うるま」という表現が見られます。鎌倉時代の文献にも「各務郡鵜沼郷」としてその名が現れます。

1602年には中山道の宿場町として鵜沼宿が設立され、江戸時代後期には尾張藩の領地となりました。明治時代に入ると、1889年7月1日には町村制の施行に伴い、各務郡鵜沼村が成立。その後、1897年には稲葉郡が合併する形で設立され、1943年に町制施行により鵜沼町（初代）となります。

1955年には各務村と合併し、鵜沼町（2代）として再び町としての姿を取り戻しますが、1963年に那加町、蘇原町、稲羽町と合併して各務原市が発足し、鵜沼町は廃止されました。

交通機関

鵜沼町は、複数の交通機関が利用できました。国鉄高山本線の各務ケ原駅と鵜沼駅、名古屋鉄道各務原線の二十軒駅、名電各務原駅、苧ヶ瀬駅、羽場駅、鵜沼宿駅、新鵜沼駅などがあり、利便性を確保していました。

教育機関

町内にはいくつかの教育機関が存在しました。鵜沼町立鵜沼第一小学校、鵜沼町立鵜沼第二小学校、鵜沼町立各務小学校、鵜沼町立鵜沼中学校があり、現在は各務原市立の学校として位置づけられています。

神社・仏閣

鵜沼町には多数の神社や仏閣が点在していました。貞照寺や日之出不動、山中不動、車折神社、村国神社、村国真墨田神社、鵜沼夫婦龍神社などが地域の信仰の中心となっていました。

史跡

歴史的な名所として鵜沼宿、鵜沼城址、坊の塚古墳が知られています。これらの史跡は、町の歴史を今に伝える大切な遺産として、当時の人々の生活や文化を垣間見ることができる貴重な場所です。

最後に

鵜沼町は、岐阜県における地域の発展や歴史的背景を映し出す町でしたが、地域の変化に伴い各務原市という大きな市の一部となりました。今でもその名残は地域の文化や施設に息づいています。

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