鶴見小野駅

鶴見小野駅（つるみおのえき）

概要

神奈川県横浜市鶴見区小野町に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）鶴見線の鉄道駅です。駅にはJI 03という駅番号が付与されています。地上に設けられた相対式ホーム2面2線を有する無人駅で、駅構造の大きな特徴として、踏切を挟んで上り線と下り線で別々の駅舎が使用されており、改札内やホーム上で互いのホーム間を移動することはできません。乗降には簡易Suica改札機が設置されています。また、当駅はJRが定める特定都区市内制度における「横浜市内」に含まれる駅の一つです。

歴史

鶴見小野駅の歴史は、かつてこの地域に存在した鶴見臨港鉄道の駅として始まりました。

1936年（昭和11年）12月8日：工業学校前停留場として、鶴見臨港鉄道の駅として開業しました。この時点では旅客営業のみを行っていました。
1943年（昭和18年）7月1日：鶴見臨港鉄道線が国有化され、日本国有鉄道（国鉄）の駅となります。これに伴い、停留場から「駅」に昇格し、現在の鶴見小野駅に改称されました。
1971年（昭和46年）3月1日：駅の無人化が実施されました。これに合わせて自動券売機が設置され、乗車券の購入が可能となりました。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の所属駅となりました。
2002年（平成14年）3月22日：JR東日本が提供するICカード乗車券Suicaのサービスが開始され、当駅でも利用できるようになりました。
2022年（令和4年）2月28日：駅に設置されていた自動券売機の営業が終了しました。

駅名の由来

駅名は、その所在地である小野町から名付けられました。この小野町という地名の由来は、江戸時代末期から明治時代の初めにかけて、地元の有力者であった小野高義氏とその子である鱗之助氏が、この一帯の干潟を埋め立てて新しい田畑を開墾し、これを「小野新田」と名付けたことに遡ります。駅名決定にあたり、「小野」という名称が採用されましたが、当時既に中央本線に同名の「小野駅」が存在していたため、区別のために所在地の広域名称である「鶴見」を冠し、「鶴見小野駅」となりました。開業時の「工業学校前」から「鶴見小野」への改称は、国有化に伴い、特定の施設名のような固有名詞を駅名から排除し、より一般的な地名を用いる方針が取られたこと、そして戦時下における防諜活動の一環として、軍事施設など所在地を特定されやすい名称を避ける意図があったためとされています。

駅構造

鶴見小野駅は地上駅で、相対式ホーム2面2線の構造を備えています。ホームは鶴見線の線路と交差する踏切に隣接して配置されており、上下線それぞれのホームに個別の駅舎が設けられています。この構造のため、利用者が改札内でホーム間を移動することはできません。上り列車に乗車する場合は上りホーム側の駅舎、下り列車に乗車する場合は下りホーム側の駅舎を利用する必要があります。現在は無人駅となっており、乗降のために簡易Suica改札機が設置されています。前述の通り、「横浜市内」の駅として特定都区市内運賃制度の対象エリア内にあります。

利用状況

当駅は1971年（昭和46年）に無人駅となって以降、詳細な乗車人員データは公表されていません。公表されている最も新しいデータは、無人化される前に計測されていたものか、あるいは例外的に集計されたものとして、2008年度の1日平均乗車人員が4,905人であったという記録があります。2009年度以降については、駅が無人であるため、継続的な乗車人員の公式発表は行われていません。

駅周辺

駅の周辺地域は、主に住宅地が広がり、人々の生活の場となっています。また、地域に根ざした商店街（例えば「小野町通り共栄会」など）も存在し、日用品の買い物などで利用されています。近年では、駅からやや離れた臨海部において、先端的な研究施設や企業が集積する「横浜サイエンスフロンティア地区」の開発が進んでおり、当駅はこの地区へのアクセス駅の一つとしても機能しています。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）鶴見線における、鶴見小野駅の前後の駅は以下の通りです。

* 国道駅（JI 02） - 鶴見小野駅（JI 03） - 弁天橋駅（JI 04）

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