鷹司平通

鷹司平通について

鷹司平通（たかつかさ としみち）は、1923年（大正12年）8月26日に東京で生まれ、1966年（昭和41年）1月27日に42歳で亡くなった日本の鉄道研究家です。旧五摂家の一つである鷹司家の27代目当主であり、公爵鷹司信輔の息子として生まれました。また、昭和天皇の第三皇女である鷹司和子（孝宮和子内親王）と結婚したことでも知られています。

生涯

17歳の時に大政翼賛会の会歌「大政翼賛の歌」の公募に応じ入選。東京高等師範学校附属中学校（現在の筑波大学附属中学校・高等学校）を卒業後、大阪理工科大学（現在の近畿大学）に進学しました。1950年（昭和25年）には、昭和天皇の第三皇女である孝宮和子内親王と結婚しました。華族制度廃止後初の皇族から一般家庭への嫁入りとして、民主化の象徴と社会から注目を集めました。

幼少の頃から鉄道好きであった平通は、交通博物館に勤務しながら鉄道の研究に没頭し、『鉄道物語』などの著作を執筆しました。その情熱は、鉄道友の会の世話役を務めるほどでした。

突然の死

1966年（昭和41年）1月26日、平通は上野公園の国立美術館で開かれた17世紀フランス名画展に出席した後、銀座のバーに出かけました。その後、バーで知り合った女性の自宅マンションに送った後、消息を絶ちました。1月28日、平通は女性と共にマンションで全裸の状態で亡くなっているのが発見されました。

警察は当初、ストーブの不完全燃焼による一酸化炭素中毒での事故死と判断しました。しかし、一部報道では不審死の可能性も指摘されました。この事件は、結婚時に注目を集めたことに加え、鉄道研究家としての実直な人柄を知られていたことから、社会に大きな衝撃を与え、海外の主要メディアでも大きく報道されました。

死後

平通と和子の間には子供がいなかったため、大給松平家から養子として尚武を迎えました。現在の鷹司家は、大給松平家からさらに鍋島氏を経て、血縁上は少弐氏の男系子孫となっています。

人物

平通は、鉄道研究家としてだけでなく、作曲家としても才能を発揮し、大政翼賛の歌の他、各地の小中学校の校歌も作曲しました。また、多くの鉄道に関する著作を執筆し、その知識と情熱は多くの人に影響を与えました。

親族

父は公爵で鳥類学者の鷹司信輔、母は徳川家達の次女である鷹司綏子です。妻は昭和天皇の第三皇女である鷹司和子。養子の鷹司尚武は、伊勢神宮大宮司を務めました。

主な著書

『ぼくらの機関車』
『スチブンソン汽車発明物語』
『私たちの鉄道』
『おもしろい交通のれきし』
『鉄道物語』

参考文献

Wikipedia: 鷹司平通
* 各報道記事

補足

鷹司平通の死は、当時の社会に大きな衝撃を与え、様々な憶測を呼びました。しかし、鉄道研究に情熱を注ぎ、皇室との結婚を通して民主化の象徴となった彼の功績は、後世に語り継がれるでしょう。

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