麻布台ヒルズ

麻布台ヒルズ：都心に誕生した新たなランドマーク

麻布台ヒルズは、東京都港区に位置する大規模複合施設です。総事業費約6400億円、延床面積約86万平方メートルという巨大プロジェクトは、2019年の着工から約4年を経て、2023年11月24日に開業を迎えました。森ビルが開発を手掛けたこの施設は、六本木ヒルズを彷彿とさせる、多様な機能を備えた街づくりを目指しています。

複雑な歴史と壮大なスケール

麻布台ヒルズの建設は、決して容易ではありませんでした。複雑な地権調整に長年歳月を費やし、1989年の「街づくり協議会」設立から、都市計画決定、事業組合設立認可を経て、2019年に着工に至っています。

敷地面積は約6万4000平方メートル、その上にそびえ立つのは、高さ325メートル超の超高層ビル「麻布台ヒルズ森JPタワー」です。地上64階、地下5階建てのこの建物には、オフィス、住宅、医療施設、商業施設、インターナショナルスクールなどが集積され、まさに街の中心として機能します。

さらに、住宅を主体とした2棟の高層ビル「麻布台ヒルズレジデンス」や、3～8階建ての4棟からなる「麻布台ヒルズガーデンプラザ」も建設されました。これらの建物と、約6000平方メートルの広大な中央広場は、調和のとれた美しい街並みを形成しています。

多彩な建築デザインと環境配慮

麻布台ヒルズ森JPタワーとレジデンスAは森ビルと日本設計、レジデンスBは森ビル、日建設計、日建ハウジングシステム、ガーデンプラザは森ビルと山下設計による設計です。施工は、それぞれ清水建設、三井住友建設、大林組が担当しました。

特に注目すべきは、低層棟の独創的なデザインです。イギリスのヘザウィック・スタジオが設計を担当し、曲線的な鉄骨構造とガラス繊維補強コンクリート（GRC）の外装は、一つとして同じ形のない、有機的な美しさを生み出しています。GRCには様々な色の小さな石粒が混ぜ込まれており、独特の質感と深みを与えています。

中央広場は東京ドーム1.7個分の広さを持ち、その約3分の1が緑化されています。芝生の広場に加え、果樹園も設けられ、都市のオアシスとして人々を癒やします。ミカンなど11種類の果樹が植えられており、来場者は自由に収穫できるというユニークな取り組みも行われています。

国際的な企業や教育機関の集積

麻布台ヒルズは、国内外の多くの企業や教育機関を誘致することに成功しています。ドイツ銀行の日本事業拠点が移転する予定であるほか、ブリティッシュ・スクール・イン・東京も新キャンパスを開設しています。慶應義塾大学予防医療センターも検査提供を開始するなど、多様な機能が融合した街として発展を続けています。

2024年2月9日には、チームラボボーダレスが台場から移転・開業しました。最先端技術と日本文化の融合をテーマにしたこのデジタルアートミュージアムは、麻布台ヒルズの魅力をさらに高めています。

交通アクセスと周辺環境

麻布台ヒルズは、東京メトロ南北線六本木一丁目駅、日比谷線神[[谷町駅]]に直結しており、交通アクセスも抜群です。都営バスも利用でき、周辺には外務省飯倉別館、ロシア大使館、東京タワーなど、歴史的・文化的にも重要な場所が数多く存在します。

まとめ

麻布台ヒルズは、単なる複合施設を超え、新しい街として誕生しました。その壮大なスケール、洗練されたデザイン、充実した施設、そして周辺環境との調和は、多くの人の心を捉えています。今後ますます発展し、東京の新たなランドマークとして、人々の生活を豊かに彩っていくことでしょう。

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