黒森神社

黒森神社

岩手県宮古市に位置する黒森神社は、標高310.5mの黒森山中に鎮座する神社です。宮古市の中心部から北へ約2km、山深い場所にひっそりと佇んでいます。

歴史と概要

黒森山は、古くから霊山として信仰を集めてきた場所です。その歴史は古く、麓の遺跡からは奈良時代のものとみられる密教法具が出土しています。このことからも、古代より神聖な場所として認識されていたことが伺えます。

明治以前は「黒森権現社」と呼ばれ、千手観音を祀っていました。また、山伏の修行の場としても栄え、社に伝わる重要無形民俗文化財「黒森神楽」は、修験者によって伝えられた東北地方の山伏神楽を代表するものです。この神楽は、神社の歴史と深く結びつき、今日まで継承されています。

建武元年（1334年）の鉄鉢や南北朝時代のものとみられる獅子頭など、数多くの文化財が神社には残されています。また、室町時代の棟札には当時の支配者であった南部氏の名が見られ、盛岡藩主からも手厚い保護を受けてきました。社殿の再建や修復にも援助を受けており、その歴史的価値が伺えます。

文化財

黒森神社には、以下の文化財が保存されています。

黒森神楽: 重要無形民俗文化財に指定されている神楽。山伏神楽の代表的なものとして知られています。
獅子頭: 岩手県指定文化財に指定されている獅子頭。南北朝時代のものとみられるものを含め、多数が保存されています。
鉄鉢: 建武元年（1334年）の銘がある貴重な鉄鉢。
棟札: 室町時代のものとみられ、当時の支配者であった南部氏の名が記されています。

関連情報

神体山・神奈備: 黒森山は、神体山として崇められてきました。
山岳信仰: 黒森神社は、山岳信仰の対象となってきました。
修験道: 古くから山伏の修行の場として栄えていました。

参考文献

『いわて歴史探訪』 岩手日報社 2004年

外部リンク

* 黒森神楽 - 宮古市

もう一度検索