龍源院

龍源院

龍源院（りょうげんいん）は、京都市北区紫野大徳寺町に位置する臨済宗大徳寺派の寺院であり、大本山大徳寺の塔頭です。本尊として釈迦如来を祀り、大仙院を本庵とする大徳寺北派に対し、南派の本庵とされています。

歴史

龍源院は、文亀2年（1502年）に東渓宗牧（とうけいそうぼく）を開山として創建されました。能登守護の畠山義元、豊後守護の大友義長、周防守護の大内義興らによって建立されたと伝えられています。創建年については永正元年（1504年）とする説もあります。大徳寺の塔頭の中では最も古い歴史を持つ寺院です。

寺号の由来は、大徳寺の山号である龍宝山（りゅうほうざん）の「龍」と、中国の臨済宗松源派の祖である松源崇嶽（しょうげんすうがく）の禅を正しく継承し、臨済宗で唯一残っている松源一脈の「源」の二文字を組み合わせたものです。

明治時代の初めには、大阪・住吉大社内の慈恩寺と、岐阜県・高山城主だった金森長近が大徳寺境内に建立した金竜院が合併され、現在の龍源院となりました。

境内

龍源院の境内には、歴史と文化を感じさせる多くの見どころがあります。

方丈（重要文化財）

方丈は本堂にあたり、永正14年（1517年）頃に建立されたとされています。一重入母屋造・檜皮葺の建物で、日本の方丈建築としては古い例の一つです。内部には、如拙門下周文の弟子である等春による襖絵があり、室中の龍図は桃山時代から江戸時代の作とされています。

方丈南庭「一枝坦（いっしだん）」

1980年（昭和55年）に当時の住職が作庭した枯山水庭園です。東渓禅師が師から賜った「霊山一枝之軒（りょうぜんいっしのけん）」という室号から名付けられました。丸くかたどった大きな苔の島に石が立つ亀島が特徴的な、斬新なデザインの庭園です。

玄関（唐門、重要文化財）

永正14年（1517年）頃に建立された、方丈へと至る切妻造・檜皮葺の玄関です。

方丈北庭「龍吟庭（りょうぎんてい）」

方丈北側に広がる室町時代の枯山水庭園で、相阿弥の作庭と伝えられています。中央の石組は須弥山を、青々とした杉苔は大海を表しています。

開祖堂

開祖である東渓禅師の塔所です。一重入母屋造・檜皮葺きの建物で、南北朝時代、鎌倉時代、室町初期の禅宗様の様式を取り入れた、昭和の代表作とされています。

開祖堂前庭「鶏足山」

開祖堂の前に広がる庭園です。

茶室「参雨軒」

茶道文化を感じさせる茶室です。

庫裏

寺院の台所として使われる建物です。

庭園「東滴壺（とうてきこ）」

方丈と庫裏の間の狭い空間に作られた壺庭です。1960年（昭和35年）に鍋島岳生によって作庭された、現代壺庭の傑作とされ、白砂敷きの中に配置された五つの石が特徴です。日本最小の庭園とも言われています。

庭園「滹沱底（こだてい）」

「阿吽の庭」とも呼ばれる白砂の庭です。宗祖である臨済禅師が住した中国の滹沱河から名付けられました。阿吽の石と呼ばれる二つの石は、聚楽第の遺構と伝えられています。

表門（重要文化財）

永正14年（1517年）頃に建立された、切妻造・桧皮葺の四脚門です。

文化財

龍源院には、数多くの貴重な文化財が所蔵されています。

重要文化財

本堂（附：玄関）
表門
木造釈迦如来坐像：鎌倉時代の作で、快慶の弟子である行心によって建長2年（1250年）に作られた銘があります。京都八釈迦の一つに数えられます。

重要美術品

四方蒔絵碁盤・碁笥：豊臣秀吉と徳川家康が対局したと伝えられる碁盤です。

その他の文化財

列仙の図：方丈襖絵で、等春によって描かれました。
猿猴図：長谷川等伯の作と伝わる掛幅で、2幅で一対となっています。
達磨図：狩野探幽が描いた、中国禅宗の祖である達磨の絵です。
白蔵主と月にむら雲：鈴木松年が描いた屏風です。大阪の少林寺に伝わる白蔵主を描いています。
種子島銃：天正11年（1583年）の銘があり、日本最古の種子島銃とされています。

アクセス

JR京都駅から京都市バス「大徳寺前」下車、徒歩

龍源院は、歴史と文化を感じさせる静寂な空間です。美しい庭園や貴重な文化財をゆっくりと鑑賞することができます。

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