龍田 (熊本市)

熊本市北区龍田

龍田（たつだ）は、熊本市北区に位置する地域で、龍田一丁目から龍田九丁目までが設置されています。かつては竜田、立田とも表記されていました。2012年時点の人口は約12,500人であり、郵便番号は861-8006です。

地理

龍田は、熊本市の北東部に位置し、住宅地として発展しています。西には立田山がそびえ、東には白川が流れており、自然環境に恵まれています。周辺地域との境界は複雑で、北は楡木・楠、北東は龍田弓削、東は白川を挟んで上南部、南東は白川を挟んで下南部、南は龍田陳内、南西はわずかに黒髪・室園町、西は乗越ヶ丘、北西は兎谷・清水岩倉と接しています。特に、室園町と清水岩倉とは、道路上の一点で接しているという特徴があります。

歴史

地名の由来

地名は、近くにある立田山（龍田山）に由来すると伝えられています。ただし、古くは「天田」という表記だったという説も存在します。

沿革

奈良時代まで

白川河岸で縄文後期の遺跡が発見されており、この頃から原始的な農耕が行われていたと考えられています。また、弥生時代や古墳時代の遺跡も多く見つかっており、この地域には飽田郡の郷の一つである立田郷が存在したと考えられています。

平安時代

961年（応和3年）には、国司紀師信によって代継宮が奉祀されました。1156年（保元元年）には、源俊国国司時代に弓削神社が創建されたと伝えられています。

鎌倉時代

1332年（元弘2年）には、立田阿蘇三宮神社が宇治惟直によって牧鶴に創建されました。その後、恵良惟澄によって立田が焼き払われるという事件も発生しました。

室町時代～安土桃山時代

15世紀後期から1560年頃まで、菊池氏一族の立田氏がこの地を支配しました。立田小太郎重治により、白川の小金淵に立田城が築城されました。また、1555年頃には、立田山中に宝積寺（寳積寺）や陳内阿蘇神社が建立されました。加藤氏統治時代には、鹿子木一族が支配したとされ、1588年（天正16年）には、清正によって豊後街道が拓かれ、肥後藩の参勤交代の要所となりました。

江戸時代

1645年（正保2年）には、現在の武蔵塚公園のある場所に、宮本武蔵が葬られたとされています。細川氏統治時代には、東福寺や片彦瀬菅原神社など多くの仏社が建立され、1661年（寛文元年）には立田阿蘇三宮神社が現在地に移設されました。

明治時代

神風連の乱や西南戦争では、戦火に見舞われることとなりました。1873年には、現在の龍田小学校のもととなる複数の学舎が開設され、1886年にはそれらが統合されて「上立尋常小学校」となりました。1889年4月1日には町村制が施行され、弓削村、上立田村、陳内村が合併して龍田村となり、飽託郡に含まれました。1912年には弓削神社が焼失しましたが、翌1913年に再建されました。

大正時代

1914年（大正3年）には、豊肥本線が開通しました。

交通

鉄道

JR豊肥本線が通っていますが、龍田地区内には駅はありません。地域南部では竜田口駅、地域北部では武蔵塚駅が最寄りとなります。

バス

九州産交バスと熊本電鉄バスが運行しており、路線番号E（子飼・熊本大学・竜田口経由）のバスが利用できます。

道路

国道3号（熊本北バイパス）、熊本県道231号託麻北部線、熊本県道232号小池竜田線、熊本県道337号熊本菊陽線が通っています。

施設

公共施設

龍田御野立所、熊本国際民藝館、芭蕉公民館、一丁公民館、龍田三町内公民館、堂の前団地、堂の前団地集会所、武蔵塚公園などがあります。

教育施設

熊本市立龍田小学校、熊本市立龍田中学校、立田幼稚園などがあります。

郵便局

竜田郵便局と熊本上立田簡易郵便局があります。

脚注

出典

龍田村熊本市編入合併50周年記念事業実行委員会『龍田村熊本市編入合併50周年記念誌』2008年。
大平五雄『龍田‐むかしと今‐』1992年。

関連項目

龍田村
黒髪
楠団地
託麻
武蔵ヶ丘
光の森

外部リンク

龍田合衆国 - 武蔵校区2町内町内会長によって運営されています。(例としてURLを記載)
代継宮 - 龍田三丁目に鎮座する神宮です。(例としてURLを記載)

もう一度検索