龍田 (軽巡洋艦)

軽巡洋艦「龍田」について

概要

「龍田」は日本海軍に所属する二等巡洋艦であり、天龍型の二番艦です。この艦は「天龍」と共に日本海軍初の軽巡洋艦であり、その艦名は奈良県を流れる竜田川に由来しています。また、海軍の艦船としてはこの名を持つ船舶は二隻目になります。

艦型

「龍田」は竣工当初、天龍型軽巡洋艦に分類されました。天龍との識別点は以下のような特徴があります。

• - 艦首の旗桟支柱が後方についている。
• - 1番煙突の左右に蒸気管がない。
• - 後部のマストは一本で構成されている。

このように、「龍田」は少し異なる構造を持っていました。

改装と武装の変遷

「龍田」は1923年に方位測定室を設けたことからも分かる通り、数度の改装を経て機能が向上しました。方位測定用の空中線は短冊形に改良され、1932年から1935年までには魚雷発射管が移動式から固定式へと変更され、装備位置も高められました。

1933年には佐世保海軍工廠で大規模な改装を行い、艦橋は鋼製の固定式に変更され、窓も設けられ、前部マストも改められました。1936年には防弾板が設置され、中国方面への進出も見越した構造になりました。1937年には新たに機銃が追加され、1938年には予備艦に指定されました。

太平洋戦争への参加

1941年の太平洋戦争開戦時には、「龍田」は以下の装備を備えていました。

• - 三年式14cm砲4門
• - 三年式8cm高角砲1門
• - 九三式13mm機銃2挺など、攻撃力を備えていました。

戦争の初期段階では、ウェーク島攻略戦において日本軍の補助艦隊として出撃しましたが、戦闘では犠牲者を出しつつも最終的に島を占拠しました。その後も「龍田」は様々な作戦に参加し、1942年から1943年には多くの戦闘に従事しました。

沈没

1944年、サイパン島への輸送作戦中、「龍田」はアメリカの潜水艦「サンドランス」に雷撃され、航行不能に陥ります。老朽化した船体では応急修理が間に合わず、沈没してしまいました。この事件は、艦船の歴史の一部として語り継がれています。

料理と文化

興味深いことに、「龍田」の艦上で生まれた料理「竜田揚げ」は、艦の料理長によって偶然発明されたと言われています。当初フライの代わりに片栗粉を使ったことで、絶妙な風味が生まれ、船員から好評を博しました。

結論

「龍田」はその艦歴や存在意義において、日本海軍の中でも特筆すべき巡洋艦の一つでした。建造から沈没まで、数多くの歴史的な出来事を乗り越え、海軍の戦力を支えた艦船として、その名は今なお語り継がれています。

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