龍造寺八幡宮

龍造寺八幡宮

龍造寺八幡宮は、佐賀県佐賀市白山一丁目に鎮座する神社です。かつては郷社として地域の人々に崇敬されていました。

歴史

神社の創建は、鎌倉時代の1187年（文治3年）に遡ります。龍造寺氏の祖である南次郎季家が、佐賀龍造寺村の地頭職となった際、鎌倉の鶴岡八幡宮から分霊を勧請したのが始まりとされています。創建当初は、龍造寺氏の本拠地である村中城本丸にありましたが、慶長年間に鍋島勝茂が佐賀城を築城する際、現在の場所近くに遷座されました。その後、この地は八幡小路と呼ばれるようになりましたが、1901年（明治34年）頃に境内を北方へ拡張移転したため、現在の住所は八幡小路ではありません。

龍造寺八幡宮は、龍造寺氏と鍋島氏の両氏から崇敬を受けました。慶長9年（1604年）に建立された肥前鳥居（佐賀市重要文化財）は、鍋島直茂夫人である藤女（陽泰院）が献納したものです。かつては古文書や宝物類も多数存在しましたが、1874年（明治7年）の佐賀の乱の兵火によって焼失してしまいました。現在では、北部九州の大小諸豪族の氏名や宰領町数などが記載された『龍造寺隆信公着到状』など、わずかな品が残っています。

神紋は、一般的な八幡神社の巴紋ではなく、龍造寺氏の十二日足紋と鍋島氏の杏葉紋が用いられています。これは、神社の性格をよく表していると言えるでしょう。

祭神

主祭神は、応神天皇（誉田別尊）です。

相殿神として、以下の神々が祀られています。

玉依姫命
天児屋根命
住吉三神（表筒男命・中筒男命・底筒男命）

祭事

春祭：4月15日
秋祭：11月3日

境内

境内には、以下のような見どころがあります。

肥前鳥居：慶長9年（1604年）の銘があり、佐賀市重要文化財に指定されています。鍋島直茂の継室である北方藤女（陽泰院）が奉献しました。独特な形状を持つ肥前鳥居の様式を今に伝えています。
石造太鼓橋
義祭同盟之碑：境内社の楠神社と関わりの深い義祭同盟の結成150周年を記念して、2000年（平成12年）に建立されました。
非理法権天の石碑：楠木正成が掲げた旗印に由来するとされています。
龍造寺八幡宮拝殿・本殿：拝殿は入母屋造銅板葺で、正面に軒唐破風が設けられています。1901年（明治34年）頃の建立です。本殿も入母屋造銅板葺で、千鳥破風や軒唐破風、彫刻が施されています。1800年代中頃の建立です。
楠神社：楠木正成・正行父子を祀っています。佐賀藩士によって楠公父子像が制作され、祀られたのが始まりとされています。
子育て恵比寿社：子供を抱く恵比寿像が祀られています。

境外社

龍造寺八幡宮下宮：1985年（昭和60年）に本社の御分霊を遷して建立されました。かつては龍造寺氏が領する重要な場所で、本社の頓宮として重用されていました。

文化財

佐賀市重要文化財
龍造寺八幡宮石造肥前鳥居：1972年（昭和47年）2月11日指定。

境内には、市指定の保存樹である楠などの樹木や、鳥居・狛犬などの石造物があり、佐賀市の重要な歴史的景観を形成しています。そのため、佐賀市都市景観重要建築物等にも指定されています。

アクセス

JR佐賀駅から徒歩約1.1km

龍造寺八幡宮は、佐賀の歴史と文化を伝える貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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