.info

.infoドメイン

インターネット上の住所の一部であるドメイン名には様々な種類がありますが、`.info`は「ジェネリックトップレベルドメイン（gTLD）」と呼ばれる汎用的なドメイン群に属します。このドメインは2001年に運用が開始され、当初は「情報」に関連するウェブサイトでの利用を想定していましたが、実際の用途には特別な規制は設けられていません。

導入の経緯と成功

`.info`ドメインは、2000年後半にICANN（Internet Corporation for Assigned Names and Numbers）によって承認・公表された7つの新しいgTLDの一つです。これは、1980年代にDNS（Domain Name System）が開発されて以来、初めての大規模なドメイン追加として位置づけられました。当時、特に`.com`ドメインの登録が飽和状態に近づいていたことから、この新規追加にはドメイン名の選択肢を増やし、混雑を緩和するという意図も込められていました。

導入された新しいgTLDの中で、`.info`は最も顕著な成功を収めました。2006年半ばの時点で、その登録数は300万件を超え、そのうち160万件以上のドメインが実際に稼働しているウェブサイトで使用されていました。多様な分野で利用されており、例えばアメリカ同時多発テロ事件後にニューヨーク州都市交通局が迅速で覚えやすいウェブアドレスとして選択した`mta.info`、著名な政治活動家ノーム・チョムスキーの情報サイトである`Chomsky.info`、スペイン政府観光局が観光促進のために運営する`Spain.info`などが、その活用事例として挙げられます。

用途の自由度

`.info`ドメインの大きな特徴の一つは、セカンドレベルドメイン（例えば`example`の部分）を取得する際に、特定の条件や資格が一切要求されない点です。これは、大学や教育機関が利用する`.edu`や協同組合向けの`.coop`のように、登録に一定の要件があるドメインとは対照的です。`.com`や`.net`、`.org`などと同様に、個人、組織、企業など、誰でも自由に`.info`ドメインを登録し、利用することができます。興味深いことに、既存の多くのドメインは設立当初は特定の用途を想定しつつも実質的に制限がなくなったのに対し、`.info`は最初から純粋に全く制限のないドメインとして設計・創設されました。また、「info」という言葉は、約37もの言語で「情報」を意味する普遍的な名称であり、世界中の人々にとって理解しやすいドメイン名となっています。

管理と技術

`.info`ドメインの管理は、設立当初からAfiliasという企業によって行われています。技術的な側面では、`.info`は国際化ドメイン（IDN）に対応した最初のgTLDの一つとしても知られています。これは2003年にIETF（Internet Engineering Task Force）によって標準化された技術であり、ラテン文字以外の文字（日本語、アラビア語、中国語など）を含むドメイン名を登録・利用することを可能にしました。ドメイン名の登録手続きは、ICANNによって認定された世界中のレジストラ（登録事業者）を通じて行われ、国際化ドメイン名についても同様の手順で取得できます。

設立時の論争

`.info`の立ち上げ時には、いくつかの論争が発生しました。登録開始に先立って、商標権を持つ組織に優先的に登録機会を与える「Sunrise Period」が設けられましたが、一般的な単語に対しても商標権者が優先されたことから、多くの批判が集まりました。例えば、「cat」という単語が商標登録されていた場合、猫好きの個人よりも、建設機械メーカーが`cat.info`を取得できるという状況が生じました。これにより、商標を持たない個人や団体による多数の詐欺的な登録も発生しましたが、その多くは後に排除されました。しかし、一部が残存したため、レジストリ管理者であるAfiliasに対して、より徹底した不正排除の取り組みを求める声もありました。

また、登録開始前に、ICANNの要請により329の国名・地域名に関するドメイン名が予約（登録ブロック）されました。これは、事前に予備登録料を支払って登録開始を待っていた一般のユーザーに動揺を与えた一方、各国の代表で構成されるICANNの政府諮問委員会（GAC）からは歓迎されました。これらの国名・地域名ドメインは、2002年にそれぞれの地域に関連する政府機関や組織に解放されました。

現在の状況と批判

他の新しいTLDと同様に、`.info`ドメインでも非常に多くの名前が登録されています。しかし、その一般への認知度は他の主要なドメイン（`.com`など）に比べて依然として低いという指摘があります。批評家の中には、登録された多くのドメインがウェブサイトとして活用されず、転売目的で保持されていたり、あるいは他の新しいドメインと同様に、電子メールスパムのような悪質な活動に利用されたりしているといった批判もあります。その自由度の高さゆえに、良くも悪くも様々な目的に利用されているのが現状です。

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