17才 (アルバム)

17才 (南沙織のアルバム)

『17才』（じゅうななさい）は、日本の歌手、南沙織が1971年10月1日にCBSソニーより発表した、キャリア初のスタジオ・アルバムです。彼女のデビューイヤーにリリースされたこの作品は、その後のアルバム構成の礎を築いた記念碑的な一枚と言えます。

作品解説

CBSソニーから発売された本作は、「ソニーのシンシア 南沙織 待望のファーストアルバム ヒット曲からポップスまで 17才の魅力がいっぱい」という帯コピーが付けられ、当時人気急上昇中だった彼女の魅力が詰まった内容として売り出されました。収録曲は全12曲で構成されています。特に注目すべきは、その特徴的な構成です。アルバムの前半にあたるA面（1曲目から6曲目）には、全て作詞・有馬三恵子、作曲および編曲・筒美京平という強力なコンビによるオリジナル楽曲が収められています。これに対し、アルバムの後半であるB面（7曲目から12曲目）には、当時のヒット洋楽ポップスのカヴァーが選曲されました。この「オリジナル曲と洋楽カヴァーをほぼ半分ずつ収録する」というスタイルは、以降の南沙織のアルバム制作において、基本的なフォーマットとして定着していくことになります。カヴァー曲の中には、原曲の歌詞そのままに歌唱されているものと、新たに日本語の歌詞が付けられて歌われているものとがあります。

本作には、南沙織の歌手デビューを飾ったシングル曲「17才」とそのB面曲「島の伝説」が収録されています。また、本作に収録されている「潮風のメロディ」は、アルバムの発売と同時にセカンド・シングルとしてもリリースされました（同シングルのB面は本作にも収録されている「なぜかしら」）。

アルバムに付属する歌詞カードには、オリジナル曲の作詞を手がけた有馬三恵子氏によるライナーノーツと、南沙織本人の詳細なプロフィールが掲載されています。ただし、プロフィールに記載されている出身地については、LPレコードおよびその後のCD選書盤では鹿児島県と記されていましたが、歌手デビュー35周年を記念してリリースされたCD-BOX『Cynthia Premium』では沖縄県へと訂正されています。

現在、このアルバムはCDパッケージとしては生産が中止されており、主に音楽配信サービスを通じてのみ入手が可能です。

収録曲

アルバムに収められた全12曲は以下の通りです。

1. 17才
作詞: 有馬三恵子 / 作曲・編曲: 筒美京平
歌手デビューシングルとして発表された記念すべき楽曲。
2. なぜかしら
作詞: 有馬三恵子 / 作曲・編曲: 筒美京平
セカンドシングル「潮風のメロディ」のカップリング曲。
3. シンシアの青春
作詞: 有馬三恵子 / 作曲・編曲: 筒美京平
4. 島の伝説
作詞: 有馬三恵子 / 作曲・編曲: 筒美京平
デビューシングル「17才」のカップリング曲。
5. ふるさとの雨
作詞: 有馬三恵子 / 作曲・編曲: 筒美京平
後に1980年、有馬三恵子氏が歌詞を加筆・改題し「彼が初恋」として石野真子がカヴァーしています。
6. 潮風のメロディ
作詞: 有馬三恵子 / 作曲・編曲: 筒美京平
本作と同時にセカンドシングルとしてリリースされた楽曲。
7. ローズ・ガーデン (Rose Garden)
作詞・作曲: Joe South / 編曲: 高田弘
オリジナル歌唱: Lynn Anderson。南沙織がデビュー前、筒美京平氏との顔合わせの際に歌ったエピソードを持つ曲。
8. そよ風にのって (Dans Le Meme Wagon)
作詞・作曲: G.Magenta / 訳詞: 漣健児 / 編曲: 高田弘
オリジナル歌唱: マージョリー・ノエル。
9. ビー・マイ・ベイビー (Be My Baby)
作詞・作曲: Jeff Barry, Ellie Greenwich, Phil Spector / 編曲: 高田弘
オリジナル歌唱: The Ronettes。
10. ハロー・リバプール (LIVERPOOL HELLO)
作詞: Ronnie Scott / 作曲: Marty Wilde / 編曲: 高田弘
オリジナル歌唱: Capricorn。
11. サマー・クリエーション (SUMMER CREATION)
作詞: D.Pomes / 作曲: M.Hal / 編曲: 高田弘
オリジナル歌唱: Joan Sheppard。
12. オー・シャンゼリゼ (Les Champs-Élysées)
作詞・作曲: M.Deighan, M.Wilsham / 訳詞: 安井かずみ / 編曲: 高田弘
代表的な歌唱としてJoe DassinやDanièle Vidalが挙げられます。1972年4月には、にしきのあきらとのカップリングでシングル・カットもされています。

発売履歴

本作は発表以来、様々なメディアで再発売されています。

1971年10月01日 - LPレコードとしてオリジナル発売。
1991年06月15日 - CD選書シリーズの一つとして初めてCD化。
2006年06月14日 - 紙ジャケット仕様の高音質マスターサウンド盤として、CD-BOX形式でリリース。
2013年04月10日 - Blu-spec CD2フォーマットで再発売。

関連項目

1971年の音楽
第22回NHK紅白歌合戦
新三人娘

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