1878年のメジャーリーグベースボール

1878年のメジャーリーグベースボール：記録と革新の年

1878年、メジャーリーグベースボール（MLB）は変革期を迎えていました。ナショナルリーグは、ルイビル・グレイズ、ハートフォード・ダークブルース、セントルイス・ブラウンストッキングスの3球団が脱退し、新たにミルウォーキー・グレイズ、インディアナポリス・ブルース、プロビデンス・グレイズの3球団が加盟し、6球団でシーズンが開幕しました。前年優勝のボストン・レッドキャップスが2年連続2度目の優勝を果たし、強さを見せつけました。

記録の変動と初の三冠王

この年、ミルウォーキー・グレイズに加入したルーキー、アブナー・ダルリンプルは61試合に出場し、打率.356という驚異的な数字を残しました。当初、ナショナルリーグは彼を首位打者として発表しました。

しかし、その後の記録見直しにより、プロビデンス・グレイズのポール・ハインズが、打率.358、50打点、4本塁打の3部門でリーグトップの成績を収めていたことが判明。ハインズは、メジャーリーグ史上初の打撃部門三冠王として記録されることになりました。ただし、当時のルールでは引き分け試合の記録は含まれていなかったため、記録の修正が必要となりました。

ジョン・モンゴメリー・ウォードの台頭

1878年は、ジョン・モンゴメリー・ウォード（通称モンテ・ウォード）がプロビデンス・グレイズに入団した年でもあります。当初は投手として活躍し、37試合に登板して22勝13敗、防御率1.51という素晴らしい成績を収めました。ウォードは後に遊撃手に転向し、選手としてだけでなく、野球選手の組合設立やプレーヤーズ・リーグ創設など、指導者としても大きな影響を与えました。ブルックリン・グルームス（後のドジャーズ）やニューヨーク・ジャイアンツの監督、ボストン・ブレーブスの球団会長などを歴任し、1964年には殿堂入りを果たしました。

1878年は、記録の修正や新たな才能の登場など、MLBの歴史において重要な転換期となりました。この年を境に、野球は更なる発展を遂げていくことになります。

参考資料
『アメリカ・プロ野球史』鈴木武樹 著
『米大リーグ 輝ける1世紀』週刊ベースボール
* ナショナルリーグ順位表

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