1886年のメジャーリーグベースボール

1886年のメジャーリーグベースボールの概要

1886年は、メジャーリーグベースボール（MLB）において重要な出来事が多くあった年でした。この年、アメリカン・アソシエーションでは、セントルイス・ブラウンズ（現セントルイス・カージナルス）が開幕からの躍進を続け、2年連続での優勝を果たしました。一方、ナショナルリーグでは、シカゴ・ホワイトストッキングス（現シカゴ・カブス）が6度目の優勝を成し遂げ、いずれのチームも優れた成績を収めました。

アメリカン・アソシエーションのチーム

セントルイス・ブラウンズは、選手兼監督としてのチャールズ・コミスキーの指導のもと、1885年から1888年までの4年間、リーグの優勝を堅持するという素晴らしい戦績を残していました。コミスキーは、この期間中に自身のプレースタイルを革新し、一塁手としての守備を進化させることで、チームの強力な基盤を築いていったのです。

ナショナルリーグの成功

同じく、この年にナショナルリーグで成功を収めたシカゴ・ホワイトストッキングスは、キャップ・アンソンのリーダーシップを受け、1880年代に5回目の優勝を含む6回の栄冠を手にしました。これによりホワイトストッキングスは、リーグにおける強豪チームの地位を確立しました。

新たなチームの参加と変動

この年、ナショナルリーグではプロビデンス・グレイズとバッファロー・バイソンズが脱退し、そこに新たにカンザスシティ・カウボーイズとワシントン・ナショナルズが加わりました。しかし、カウボーイズはわずか1シーズンで解散し、またセントルイス・マルーンズもこの年をもって消滅。これにより、球団権利は後にシンシナティ・レッズのオーナーであるジョン・T・ブラッシュに引き継がれ、インディアナポリスに本拠を移しました。

注目選手たちの活躍

この年、セントルイス・マルーンズのヘンリー・ボイル投手は、最優秀防御率の1.76を記録するも、勝ち星は9敗の負け越しという珍しい成績を残しました。一方、ニューヨーク・ジャイアンツのティム・キーフ投手は42勝を挙げ、最多勝に輝きましたが、防御率が前年より上昇し、負け越した選手が最優秀防御率に選ばれるという異例の事態が発生しました。

また、シカゴ・ホワイトストッキングスのキング・ケリー選手は、打率.388で2回目の首位打者に輝き、155得点と175安打を記録するなど、通算成績も素晴らしいものとなりました。彼は、1878年にシンシナティ・レッズに入団し、1880年からはシカゴで活躍し続けました。

全米選手権での勝利

シーズン終了後、アメリカン・アソシエーションの優勝チームであるセントルイス・ブラウンズと、ナショナルリーグのシカゴ・ホワイトストッキングスが全米選手権で再び対戦しました。前年は引き分けだった対決が、今回はセントルイスが4勝2敗で勝利を収め、ファンを喜ばせました。

ルールの変更

この年、バットに関する規則が廃止されるなど、ルールに関しても重要な改訂が行われました。これにより、選手たちのプレースタイルや戦術に新たな影響を与えることとなりました。

まとめ

1886年のメジャーリーグベースボールは、チームの優勝や個々の選手の輝かしい成績により、特に記憶に残る年となりました。内外で起きた変化や革新が、スポーツとしての野球の発展に寄与したことは間違いありません。

もう一度検索