1910年の相撲

1910年の相撲界

1910年、相撲界は様々な出来事に揺れ動きました。大阪相撲と東京相撲の間で対立が深まり、京都相撲は海外遠征の失敗により事実上倒産するなど、激動の一年となりました。

大阪相撲と東京相撲の対立

この年、大阪相撲協会と吉田司家との間で、大木戸森右エ門の横綱推挙を巡り対立が起こりました。大阪相撲協会が独断で大木戸に横綱免許を出したことに対し、吉田司家が反発。東京相撲協会も吉田司家を支持し、大阪相撲協会との絶縁を宣言しました。これにより、東西の相撲協会は不和状態に陥りました。

京都相撲の海外遠征と衰退

京都相撲は、日英博覧会での余興をきっかけに欧州大陸へ遠征しましたが、興行は失敗し、一行は困窮。一部は南米に渡り職を転々とするなど、悲惨な状況に陥りました。この遠征の失敗により、京都相撲協会は事実上の倒産となりました。

天覧相撲と台覧相撲

1910年には、隆熙帝による天覧相撲と、皇太子嘉仁親王（後の大正天皇）をはじめとする皇族による台覧相撲が開催されました。

6月24日 - 昌徳宮にて隆熙帝が天覧。
1月9日 - 国技館にて皇太子嘉仁親王が台覧。
6月6日 - 国技館にて迪宮裕仁親王（後の昭和天皇）、淳宮雍仁親王、光宮宣仁親王が台覧。

本場所

東京相撲

1月場所：両国国技館にて10日間興行。東方勝利、個人優勝は常陸山谷右エ門。
6月場所：両国国技館にて10日間興行。東方勝利、個人優勝は太刀山峰右エ門。

大阪相撲

1月場所：難波新川土橋西詰にて10日間興行。
6月場所：難波新川土橋西詰にて10日間興行。

この年に生まれた主な力士

1月10日 - 國光鉄太郎（最高位：十両2枚目）
2月2日 - 谷ノ音谷五郎（最高位：十両6枚目）
3月5日 - 布引國太郎（最高位：十両3枚目）
3月25日 - 龍王山光（最高位：前頭2枚目）
5月28日 - 沖ツ海福雄（最高位：関脇）
7月6日 - 倭岩英太郎（最高位：前頭13枚目）
10月25日 - 八幡錦秀尾（最高位：十両6枚目）
12月23日 - 大平山圭四郎（最高位：十両4枚目）

この年に亡くなった主な力士・関係者

1月10日 - 横車利三郎（最高位：前頭5枚目）
1月13日 - 黒雲雷五郎（最高位：前頭6枚目）
6月28日 - 9代式守伊之助（立行司）
10月4日 - 嵐山捨吉（最高位：小結）
11月21日 - 2代劔山谷右エ門（最高位：大関）

まとめ

1910年の相撲界は、協会間の対立や海外遠征の失敗といった負の側面と、新たな才能の誕生、天覧相撲の開催といった希望の光が交錯する、激動の一年でした。この年の出来事は、その後の相撲界に大きな影響を与えることになりました。

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