1946年全米選手権 (テニス)

1946年全米選手権の概要

1946年の全米選手権は、アメリカにおけるテニス大会の重要な一幕を担った。大会は、男女別のシングルスとダブルス、さらに混合ダブルスの各部門で構成されており、特に終了した第二次世界大戦の影響を大きく受けた大会でもあった。

大会の流れ

この大会は1881年に始まり、1967年まで続いた全米選手権は、各部門に独自の名称を持ち、開催地も異なるテニスクラブで行われていたことが他の主要グランドスラム大会との大きな違いである。例えば、男子シングルスはニューヨーク市のフォレストヒルズで開催され、女子シングルスも同様に行われていたが、ダブルス部門はボストンのロングウッド・クリケット・クラブで開かれた。

大会の再開を迎えた1946年には、男子ダブルスと女子ダブルス部門が5年ぶりにボストンに戻った。一方、混合ダブルスは引き続きフォレストヒルズで行われた。

シード選手

男子シングルス

男子シングルスには、アメリカ人選手が10名登場し、その中で初優勝を遂げたのがジャック・クレーマーだった。また、フランク・パーカーやトム・ブラウンも注目選手として名を連ねており、特にブラウンは準優勝を果たした。一方、外国人選手の中には、イボン・ペトラやハリー・ホップマンといった有力選手も参加していた。

女子シングルス

女子シングルスでは、ポーリーン・ベッツが優勝し、これが彼女にとって4度目のタイトルとなった。マーガレット・オズボーンやドリス・ハートといったアメリカ人選手もシード入りし、ハートは準優勝を飾る活躍を見せた。

大会経過

男子シングルス

準々決勝では、ジャック・クレーマーがドン・マクニールを破り、ボブ・ファルケンバーグがビル・タルバートとの接戦を制した。準決勝では、クレーマーがファルケンバーグを下し、トム・ブラウンがガードナー・ムロイを破る展開となった。決勝戦では、クレーマーがブラウンを相手に圧倒的な強さを発揮し、スコア9-7, 6-3, 6-0で勝利を収めた。

女子シングルス

女子シングルス準々決勝において、ポーリーン・ベッツはガートルード・モランを破り、パトリシア・カニング・トッドも勝ち上がった。準決勝では、ベッツがトッドを、ドリス・ハートがメアリー・アーノルド・プレンティスを下して決勝に進出。決勝戦では、ベッツがハートを11-9, 6-3で退け、タイトルを手にした。

ダブルス・混合ダブルス

男子ダブルスでは、ガードナー・ムロイとビル・タルバート組がドン・マクニールとフランク・ガーンジー組を接戦の末に制した。女子ダブルスでは、ルイーズ・ブラフとマーガレット・オズボーン組がメアリー・アーノルド・プレンティスとパトリシア・カニング・トッド組を下して優勝。混合ダブルスではタルバートとオズボーン組が勝利を収めた。

まとめ

1946年の全米選手権は、戦後の復興を象徴する重要な大会であり、多くの名選手による熱戦が繰り広げられた。これにより、アメリカのテニス界に新たな風が吹き込まれ、多くのファンに喜びを提供した。今後もこの大会の歴史は多くの人々に語り継がれていくことだろう。

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