1949年の映画

1949年の映画界の動向

1949年は映画業界にとって多くの重要な出来事があった年です。この年の動きを国内と国際的な視点から振り返ります。

海外の動き

アメリカでは、共産主義者の追放運動が激化しました。映画監督ヴィクター・フレミングが1月に死去し、9月にはキャロル・リードが監督した『第三の男』が公開され、大ヒットを記録しました。同月、別の著名な監督サム・ウッドも亡くなります。また、コロムビア、ユニヴァーサル、ユナイトの三社は独占禁止法により配給が禁止される事態に見舞われました。

ソ連のモスフィルムは、1950年度から全作品のカラー化を実施すると発表しました。イングリッド・バーグマンは、イタリアのロベルト・ロッセリーニと不倫関係に陥り、その影響範囲は映画界にも広がりました。

日本の動き

日本では、2月に大映が東京京橋に本社を移転し、さらに物価庁が上映時間に応じた入場料金の値上げを許可しました。そして、3月には松竹が接収されていた劇場を名前を戻し、昼は英国映画、夜は新劇の劇場として再開しました。

同月、美空ひばりが『のど自慢狂時代』で映画デビューを果たしました。7月には、石坂洋次郎の小説『青い山脈』が映画化され、原節子と池部良が主演し大ヒットしました。

5月には、日本[[映画監督協会]]が設立され、同時期に東宝が東京・大阪・名古屋の証券所に上場しました。さらに、東京映画配給が設立され、東映の前身となりました。

映画興行の変化

映画館の入場料金が50円に設定された中、邦画の2本立て興行が地方で盛んになりました。これは、後に邦画上映の主流となっていくこととなりますが、その影響で各社の製作費の負担も増加しました。入場料金の規制が撤廃された8月以降、映画市場は活況を呈し始めました。

特に11月には、新[[東宝]]が自主配給を決定し、これにより新たな映画の流通が始まりました。この年の映画製作は、東宝と新[[東宝]]の対立や経済的な圧力の中でも続けられました。

受賞と功績

国際的な映画祭では、いくつかの作品が評価されました。第22回アカデミー賞では、作品賞が『オール・ザ・キングスメン』に輝き、監督賞にはジョーゼフ・L・マンキーウィッツが受賞しました。また、第3回カンヌ国際映画祭では『第三の男』がパルム・ドールを受賞し、その存在感を示しました。

日本でも、映画作品が次々と受賞し、特に『晩春』が第4回毎日映画コンクールで大賞を獲得するなど、文化活動が活性化しました。新[[東宝]]製作の『野良犬』は大きな評価を受け、昭和24年度の芸術祭で文部大臣賞を受賞しました。

結論

1949年の映画界は、国内外での動きが相まって新たな時代の幕開けを感じさせるものでした。経済や社会の変化とともに映画業界も様々な形で成長していったことが理解できます。これらの出来事は、後の映画文化に大きな影響を与えました。

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