1949-1950シーズンのNBA

1949-1950シーズン NBA：変革とレイカーズ王朝の幕開け

1949-1950シーズンは、NBAにとって記念すべき4回目のシーズンであり、BAA（Basketball Association of America）がNBA（National Basketball Association）と改称してからの最初のシーズンとして、新たな時代の幕開けを告げた。1949年10月29日に開幕し、1950年4月23日に全日程を終えたこのシーズンは、リーグの構造、チーム構成、そしてその後のNBAの歴史に大きな影響を与える出来事が数多く起こった。

NBAの誕生：BAAとNBLの合併

1949年8月3日、BAAはライバル関係にあったNBL（National Basketball League）を吸収合併し、NBAが誕生した。1926年からの歴史を持つNBLは、チームや選手の質でBAAを上回っていたものの、アメリカ中西部の小規模都市を基盤としていたため、東部の大都市を基盤とするBAAに次第に主導権を握られるようになった。1948-49シーズンには、ミネアポリス・レイカーズを始めとする4チームがNBLからBAAに移籍し、リーグ間の対立による負担を避けるため、両リーグは統合へと向かった。

この合併により、リーグは急速に拡大し、既存のBAA12チームに加え、NBLからアンダーソン・パッカーズ、デンバー・ナゲッツ（現存するチームとは無関係）、シボイガン・レッドスキンズ、シラキュース・ナショナルズ（現フィラデルフィア・76ers）、トライシティーズ・ブラックホークス（現アトランタ・ホークス）、ウォータールー・ホークスの6チームが合流。さらに、インディアナポリス・オリンピアンズが新設され、最終的に17チームが参加する大規模なリーグとなった。リーグは再編され、2デビジョン制から3デビジョン制へと移行し、レギュラーシーズンの試合数はチームごとに異なり、68試合、64試合、または62試合が割り当てられた。各デビジョンからは上位4チームがプレーオフに進出した。

しかし、当時のNBAは、これほどの数のチームを抱えるほどの人気を得ておらず、翌シーズンには6チームが解散することになる。

ドラフトと地域ドラフトの導入

ドラフトでは、ハウィー・シャノンが全体1位指名を受けた。また、アレックス・グローザ、ディック・マグワイア、ラルフ・ベアード、レオ・バーンホースト、ジャック・コールマンらが指名された。

この年、NBA初の地域ドラフトが導入された。これは、チームが1巡目指名を放棄する代わりに、本拠地から50マイル圏内の地元選手を獲得できる制度で、地元ファンを増やし、リーグ全体の人気を高めることを目的としていた。地域ドラフトは通常のドラフトよりも重要視され、ヴァーン・ミッケルセンやエド・マコーレーといった殿堂入り選手がNBA入りを果たした。この制度は1966年まで存続し、リーグの発展に大きく貢献した。

シーズン概要とプレーオフ

17チーム3デビジョン制となったことで、プレーオフのトーナメント方式も大きく変更された。各デビジョンでレギュラーシーズンの勝率上位4チームがトーナメントを争い、勝ち上がった3チームのうち、レギュラーシーズンの勝率1位のチームがファイナルに進出。残りの2チームがもう一つのファイナル進出枠をかけて争うという方式が採用された。ファイナル以外は3戦2勝制、ファイナルのみが7戦4勝制で行われた。

ミネアポリス・レイカーズの連覇

ファイナルでは、ミネアポリス・レイカーズがシラキュース・ナショナルズを破り、NBA初の連覇を達成した。ジョージ・マイカンを中心に、ジム・ポラード、ヴァーン・ミッケルセンという強力なフロントラインを擁するレイカーズは、当時のNBAにおいて圧倒的な力を持つチームとして君臨し、NBA史上初の王朝と呼ばれるようになった。ナショナルズもドルフ・シェイズ、アル・セルヴィ、ポール・シーモアといった優秀な選手を擁していたが、マイカン率いるレイカーズの優位を覆すことはできなかった。

1949-1950シーズンは、NBAが新たなスタートを切り、その後の発展の基礎を築いた重要なシーズンであった。リーグの再編、地域ドラフトの導入、そしてミネアポリス・レイカーズの圧倒的な強さは、NBAの歴史に深く刻まれ、今日のNBAへと繋がっている。

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