1950年-1953年の市町村合併
1950年から1953年（昭和25年から昭和28年）にかけて、日本国内では多くの市町村合併が実施されました。この時期の合併は、戦後復興が進む中で地方行政の効率化や基盤強化を目指す動きの一環として行われたものであり、後の大規模な「昭和の大合併」へと繋がる重要な期間と位置づけられます。本稿では、この4年間にわたる市町村合併の具体的な事例を年ごとに追います。
1950年は、各地で市町村の再編成が始まった年です。年初には福井県武生市への吉野村編入や、宮崎県南那珂郡の飫肥町、吾田町、油津町、東郷村が合併して日南市が新設・市制移行する事例がありました。4月1日には多くの合併が実施され、兵庫県神戸市は武庫郡の御影町、魚崎町、住吉村を編入し、新たに東灘区を設置しました。また、同県城崎郡では豊岡町など4町村が合併して豊岡市が誕生しました。福島県平市や新潟県柏崎市、滋賀県彦根市、岡山県倉敷市など、既存の市が周辺の村を編入する形での合併も多数見られます。特に岐阜市は、8月20日に大規模な編入合併を行い、稲葉郡および本巣郡の7村を迎え入れました。京都府では竹野郡の網野町など5村が合併して新たな網野町を形成しました。10月には静岡県掛川町や兵庫県神戸市（東灘区）が追加の編入を行い、岐阜県関町は加茂郡田原村を編入するとともに市制を施行し関市となりました。
1951年も、全国各地で合併が継続されました。この年は、複数の町村が合併して市となる事例がいくつか見られます。3月1日には京都府久世郡の宇治町など5町村が合併し宇治市が発足。3月15日には千葉県香取郡の佐原町など4町村が合併して佐原市が誕生しました。3月20日には山梨県南都留郡の3町が合併して富士吉田市が発足しています。4月1日にはさらに広範囲で合併が行われ、秋田県横手町は周辺村との合併・市制移行により横手市となり、大館町は釈迦内村との合併により大館市となりました。東京都西多摩郡の青梅町は周辺村と合併し青梅市に移行しました。この日には既存市への編入も多数行われ、青森市、若松市、高崎市、浜松市、大津市、奈良市、岡山氏、鳥取市、久留米市、中津市、熊本市などが規模を拡大しました。兵庫県揖保郡では龍野町など5町村が合併して龍野市が誕生し、複数の町村が合併して新たな町（揖保川町、太子町など）を形成する動きも活発でした。島根県では簸川郡で複数の新設合併や編入合併が見られ、平田町など8町村が合併して新たな平田町となりました。大分県でも津久見町など4町村が合併し津久見市となるなど、新市誕生が続きました。
1952年は、新たな市が誕生する事例がより増えました。4月1日には岩手県気仙郡の盛町など7町村が大船渡市に、千葉県長生郡の茂原町など6町村が茂原市に、富山県下新川郡の魚津町など12町村が魚津市に、兵庫県多可郡の西脇町など4町村が西脇市にそれぞれ合併・市制移行しました。岡山県でも小田郡の笠岡町と金浦町が合併して笠岡市が誕生しています。既存市への編入合併も引き続き行われ、水戸市、彦根市、岡山市、倉敷市などが周辺自治体を編入しました。富山県東礪波郡では、複数の町村が合併して砺波町、城端町、庄川町といった新たな町を形成する動きが進みました。8月1日には富山県氷見郡の氷見町など4町村が合併・市制移行して氷見市となり、島根県美濃郡の益田町など8町村が合併して益田市が誕生しました。
1953年は、後の「昭和の大合併」に向けて、比較的規模の大きな合併事例が増加しました。2月1日には岡山県西大寺町など広範囲の12町村が合併して西大寺市が誕生しました。同年10月1日には鳥取県東伯郡の倉吉町など9町村が合併し倉吉市が誕生しています。市制施行を伴う合併以外でも、岡山県後月郡の井原町など10町村が合併して井原市が誕生（4月1日）、広島県豊田郡東生口村と御調郡の6町村が合併して因島市が誕生（5月1日）するなど、複数の町村による広域合併が進みました。既存市への編入も活発で、倉敷市、玉島市、坂出市、新居浜市、熊本市、鳥取市などが周辺の町や村を編入しました。岡山県では赤磐郡や御津郡、和気郡などで複数の町村が合併し、山陽町、赤坂町、御津町、和気町といった新たな町が生まれています。富山県でも中新川郡上市町や西礪波郡石動町など、複数の町村が合併して新たな町となる事例が見られました。
この1950年から1953年までの期間に行われた市町村合併は、戦後の地方自治体制度の再編における初期段階を示しています。小規模な編入合併から、複数の町村が合併して市や新たな町を形成する新設合併まで、多様な形態が見られました。これらの合併は、その後の日本の地方行政区画のあり方に影響を与え、「昭和の大合併」へと引き継がれていく基盤となりました。
1950年の市町村合併
1950年は、各地で市町村の再編成が始まった年です。年初には福井県武生市への吉野村編入や、宮崎県南那珂郡の飫肥町、吾田町、油津町、東郷村が合併して日南市が新設・市制移行する事例がありました。4月1日には多くの合併が実施され、兵庫県神戸市は武庫郡の御影町、魚崎町、住吉村を編入し、新たに東灘区を設置しました。また、同県城崎郡では豊岡町など4町村が合併して豊岡市が誕生しました。福島県平市や新潟県柏崎市、滋賀県彦根市、岡山県倉敷市など、既存の市が周辺の村を編入する形での合併も多数見られます。特に岐阜市は、8月20日に大規模な編入合併を行い、稲葉郡および本巣郡の7村を迎え入れました。京都府では竹野郡の網野町など5村が合併して新たな網野町を形成しました。10月には静岡県掛川町や兵庫県神戸市（東灘区）が追加の編入を行い、岐阜県関町は加茂郡田原村を編入するとともに市制を施行し関市となりました。
1951年の市町村合併
1951年も、全国各地で合併が継続されました。この年は、複数の町村が合併して市となる事例がいくつか見られます。3月1日には京都府久世郡の宇治町など5町村が合併し宇治市が発足。3月15日には千葉県香取郡の佐原町など4町村が合併して佐原市が誕生しました。3月20日には山梨県南都留郡の3町が合併して富士吉田市が発足しています。4月1日にはさらに広範囲で合併が行われ、秋田県横手町は周辺村との合併・市制移行により横手市となり、大館町は釈迦内村との合併により大館市となりました。東京都西多摩郡の青梅町は周辺村と合併し青梅市に移行しました。この日には既存市への編入も多数行われ、青森市、若松市、高崎市、浜松市、大津市、奈良市、岡山氏、鳥取市、久留米市、中津市、熊本市などが規模を拡大しました。兵庫県揖保郡では龍野町など5町村が合併して龍野市が誕生し、複数の町村が合併して新たな町（揖保川町、太子町など）を形成する動きも活発でした。島根県では簸川郡で複数の新設合併や編入合併が見られ、平田町など8町村が合併して新たな平田町となりました。大分県でも津久見町など4町村が合併し津久見市となるなど、新市誕生が続きました。
1952年の市町村合併
1952年は、新たな市が誕生する事例がより増えました。4月1日には岩手県気仙郡の盛町など7町村が大船渡市に、千葉県長生郡の茂原町など6町村が茂原市に、富山県下新川郡の魚津町など12町村が魚津市に、兵庫県多可郡の西脇町など4町村が西脇市にそれぞれ合併・市制移行しました。岡山県でも小田郡の笠岡町と金浦町が合併して笠岡市が誕生しています。既存市への編入合併も引き続き行われ、水戸市、彦根市、岡山市、倉敷市などが周辺自治体を編入しました。富山県東礪波郡では、複数の町村が合併して砺波町、城端町、庄川町といった新たな町を形成する動きが進みました。8月1日には富山県氷見郡の氷見町など4町村が合併・市制移行して氷見市となり、島根県美濃郡の益田町など8町村が合併して益田市が誕生しました。
1953年の市町村合併
1953年は、後の「昭和の大合併」に向けて、比較的規模の大きな合併事例が増加しました。2月1日には岡山県西大寺町など広範囲の12町村が合併して西大寺市が誕生しました。同年10月1日には鳥取県東伯郡の倉吉町など9町村が合併し倉吉市が誕生しています。市制施行を伴う合併以外でも、岡山県後月郡の井原町など10町村が合併して井原市が誕生（4月1日）、広島県豊田郡東生口村と御調郡の6町村が合併して因島市が誕生（5月1日）するなど、複数の町村による広域合併が進みました。既存市への編入も活発で、倉敷市、玉島市、坂出市、新居浜市、熊本市、鳥取市などが周辺の町や村を編入しました。岡山県では赤磐郡や御津郡、和気郡などで複数の町村が合併し、山陽町、赤坂町、御津町、和気町といった新たな町が生まれています。富山県でも中新川郡上市町や西礪波郡石動町など、複数の町村が合併して新たな町となる事例が見られました。
この1950年から1953年までの期間に行われた市町村合併は、戦後の地方自治体制度の再編における初期段階を示しています。小規模な編入合併から、複数の町村が合併して市や新たな町を形成する新設合併まで、多様な形態が見られました。これらの合併は、その後の日本の地方行政区画のあり方に影響を与え、「昭和の大合併」へと引き継がれていく基盤となりました。
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