1961年の映画

1961年の映画業界の概要

1961年は映画界にとって重要な年であり、さまざまな話題やトピックスがありました。アメリカでは『ウエスト・サイド物語』が公開され、大ヒットとなりましたが、それと同時に映画興行全体が不振に苦しんでいた時期でもありました。さまざまな国で映画祭が行われ、特にフランスでの受賞作が注目されました。

世界の映画界の動向

アメリカでは3月11日にフィリピンのマニラで第8回アジア映画祭が開幕し、映画界の交流が進みました。また、6月16日には東映ニュースが仏・ビシー国際ニュース映画祭で金賞を受賞するなど、日本の映画の国際的な評価も高まっていました。

他方で、フランスでは、5月17日に公開されたアンリ・コルピ監督の『かくも長き不在』や、6月にはジャン＝リュック・ゴダールの『女は女である』が話題を呼びました。また、イタリアではピエル・パオロ・パゾリーニが『アッカトーネ』で監督デビューを果たしました。

日本の映画業界の主要な出来事

1961年、日本では特筆すべき出来事が数多く発生しました。1月には日本劇場がリニューアルオープンし、東京の渋谷東映劇場が大晦日の徹夜興行を行い、多くの観客で賑わいました。さらに、松山善三監督のデビュー作『名もなく貧しく美しく』が公開され好評を博しました。

また、7月には新藤兼人監督が手がけた『裸の島』が第2回モスクワ映画祭でグランプリを受賞しました。これは日本映画の国際的な評価向上に貢献しました。

映画興行と観客動向

1961年の日本において、映画入場料金は大人230円とされ、入場者数は8億6343万人に達しました。興行収入も730億300万円という驚異的な数字を記録し、映画が社会の一部として定着していることが示されました。

受賞と評価

この年、多くの映画が賞を受賞しました。第34回アカデミー賞では『ウエスト・サイド物語』が作品賞を受賞し、ロバート・ワイズとジェローム・ロビンズが監督賞を獲得しました。一方で、第14回カンヌ国際映画祭ではルイス・ブニュエルの『ビリディアナ』がパルム・ドールを受賞しました。

日本の映画では、『豚と軍艦』が第12回ブルーリボン賞の作品賞を受賞し、三舟敏郎が主演男優賞を獲得しました。

結論

1961年は、国内外ともに映画が盛況を呈していた時代であり、多くの作品評価が行われた年でした。日本映画は国際舞台でも高い評価を受け、国内の映画興行が活発を保っていたことが、この年の重要な特徴と言えます。

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