1965年のメジャーリーグベースボール

1965年のメジャーリーグベースボールの出来事

1965年、メジャーリーグベースボール（MLB）では、多くの劇的な出来事が起こりました。この年は、ナショナルリーグのロサンゼルス・ドジャースとアメリカンリーグのミネソタ・ツインズがそれぞれリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズではドジャースがツインズを4勝3敗で下してシリーズを制しました。これによりドジャースは2年ぶりの勝利を収め、4度目のシリーズ制覇を達成しました。

ドジャースとその戦略

前年は攻撃陣が不振で6位に沈んだドジャースですが、1965年はサンディ・コーファックスとドン・ドライスデールという2人のエースの力強いピッチングによって見事に復活。コーファックスは26勝を挙げ、最優秀防御率（2.04）や最多奪三振（382）を記録し、投手三冠に輝く快挙を達成しました。また、モーリー・ウィルスが94盗塁を記録し、6年連続の盗塁王に輝いたのも注目されます。ただし、打撃面では新人王のジム・ラフィーバーとルー・ジョンソンがチーム最多の本塁打を挙げるも、全体的には打線が弱体であることが課題でした。

ツインズの活躍

一方、アメリカンリーグのミネソタ・ツインズも目立った存在でした。前年まで3年連続本塁打王のハーモン・キルブルーが故障で途中離脱したものの、新人王のトニー・オリバが再び首位打者に輝くなど打撃陣が奮闘しました。投手陣ではマドキャット・グラントが21勝を挙げ、チームを牽引しました。多数のピッチャーが好調を維持し、セネタース時代の1933年以来32年ぶりのリーグ優勝を果たしました。

アストロドームのオープン

1965年4月9日、テキサス州ヒューストンにアストロドームが開場しました。この球場は初の屋根付き球場として注目を集め、ヒューストン・アストロズのホームグラウンドとなりました。アストロドームのオープン試合には多くの観客が詰めかけ、ミッキー・マントルの本塁打が初の記録となりました。屋根を持つことで悪天候に関係なく試合ができる利点があり、アストロズの新たなスタートを象徴する場となりました。

新人選手選抜会議

また、新たに導入された新人選手選抜会議が5月1日に実施され、各チームがアマチュア選手を選び取る新しい形が整いました。初めてのドラフトでは、多くの選手が指名され、今後のメジャーリーグに新しい風を吹き込むこととなります。

コミッショナーとミルウォーキーの訴訟

フォード・フリックが退任し、ウィリアム・エッカートが新コミッショナーに就任したも、彼の経営的アプローチは問題を引き起こし、わずか3年で辞任に追い込まれました。また、ミルウォーキー・ブレーブスがアトランタへ移転する中で、ミルウォーキー市が訴訟を起こす騒動も巻き起こりました。

記録と功績

この年は、個々の選手の成績も注目されました。8月19日にはシンシナチ・レッズのジム・マロニー投手がノーヒットノーランを達成し、9月9日にはサンディ・コーファックスが完全試合を実現しました。コーファックスの382奪三振は当時の新記録となり、彼の名は永遠に刻まれることとなりました。

1965年は、MLBの歴史の中で様々な記録とエピソードが生まれた年として記憶に残ります。各チームの競争が激化し、新しい制度や場が誕生する中で、野球はさらなる進化を遂げていくのです。

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